JANSIで活躍中の職員紹介

パフォーマンス向上支援部
運転経験グループ

彌永 直人さん

彌永 直人さん
2010年
九州電力(株) 入社
2021年~
JANSI 運転経験G 勤務

世界の原子力発電所の情報を分析

私の所属する運転経験グループは、国内外の運転経験(OE)情報等の収集・分析・周知を行うことで、トラブルの未然防止を支援することを主な活動としている部署です。
 私はその中でも海外の発電所のトラブル情報の収集・分析・周知が主たる業務となります。
 海外の発電所の情報は、NRCから提供される公開情報などもありますが、主にはIAEAやWANOのホームページから入手します。得られるトラブル情報は発電所の原子力安全から労働災害に関わるものまで多岐にわたり、その数は年間約3000~4000件近くになります。それら一つ一つの情報を分析しています。
 これだけ多くの件数がありますので、海外のトラブル情報の中には軽微なものや既に日本では対策が取られているものも含まれます。しかし、その情報は貴重なものであり、日本の事業者が早急に対策をとっておいた方がよいものがある可能性もあります。
 対策の要否を検討するためにも、迅速な翻訳と複数の視点からの分析が必要となります。そのため、特にスピード感を意識して業務にあたっています。
 分析された結果は、「運転情報検討会」等の会議の場で議論され、国内発電所での対策の要否などが検討されます。重要な事象、対策をとるべき事象とJANSIが判断した場合には、「重要度文書※1」や「注意喚起文書」の発行が検討・決定されます。

※1 重要度文書:国内プラントの安全性に影響を及ぼす可能性があり、再発防止のため事業者に対応を求める必要がある場合に発行する文書

OEを発電所の安全性向上に活かすために

私はこの重要度文書や注意喚起文書に関する業務も担当していて、注意喚起文書の中には、実際に私が作成したものもあります。注意喚起文書が発電所の安全性向上に貢献できていればよいなと思っています。
 その他、規制庁との定例情報交換会を実施しています。海外OE情報及び一部の国内OE情報の分析結果や、規制庁の最近の関心事項について意見交換を行っています。
 またこの会議は、JANSIが事業者から収集した情報を提供することにより、規制庁による事業者への状況聴取を簡素化させ、規制庁、事業者双方のリソースの合理的活用を図ることも目的の一つです。

同世代の仲間に刺激を受けながら

これまで発電所の運転部門や保修部門での勤務を中心に経験してきました。JANSIに来て、OEという分野に初めて触れ、OEの観点からの安全性の追求という新しい視点を学ぶことができました。
 また、運転経験グループは同年代の出向者も多く、彼らの学ぶ姿勢にはとても刺激を受けていますし、普段交流することの少ないBWR発電所やメーカーで働いていた方と仕事をすることは、それぞれの視点や設備の違い等を発見でき、とても勉強になります。
 さらに発電所の要職を経験された経験豊富な方も多数在籍しており、JANSIには原子力発電所の「専門家集団」という印象を持っています。
 世界中の発電所の状況、BWR発電所やメーカー等の視点、先輩職員の様々な経験から得られた知見等、多くの事を学びながら、世界最高水準の安全を目指し、貢献できるよう成長していきたいと思います。