JANSIで活躍中の職員紹介
ピアレビュー計画部
総括グループ
野村 克也さん
- 2001年
- 中部電力(株) 入社
- 2021年 1月
- ~ JANSI ピアレビュー管理G 勤務
- 2021年11月
- ~ JANSI 総括G 勤務
レビュワーとして発電所を訪問
同等性※7取得後のJANSIの在り方
昨年10月にJANSIのピアレビューはWANOピアレビューとの同等性※7が認められました。私は、同等性を審査するWANOの評価者のロジスティックス業務を行っていました。
同等性審査がコロナ禍の中で進められたこともあり、ピンポイントでの入国時期の調整や、公共交通機関が思うように利用できない中での移動手段の確保、感染対策を万全にした上での発電所への入構等、調整が難しい状況が続きました。それだけに同等性が取得された際は胸をなでおろす思いでした。
同等性を取得した今、JANSIは世界水準と認められた力量を維持していく責任があります。また、レビュワーとして発電所へ赴くと「安全性向上のため、是非改善点を指摘してください。」といった声をいただきます。そういった責任や期待に応えるためにも、私自身を含め個々のレビュワーが能力を磨き、更なる改善につながるピアレビューを目指していきたいと思います。
JANSIを活用しエクセレンスの追求を
JANSIで働くことで、発電所での勤務だけではできない経験をたくさん積むことができたと感じています。
トラブルなしに7年以上稼働させている発電所もあれば、再稼働に向けて懸命になっている発電所もあり、安全への取組みも様々な形があります。ピアレビューに参加することは、そういった各発電所のパフォーマンスや考え方を学ぶ得難い機会です。
また、JANSIには経験や知識が豊富な方々が原子力産業界から集まっています。そういった方々と共に働くことでさらに知見を広げることができます。JANSIはエクセレンスを追求できる環境が整っていると感じておりますので、私自身も経験や知識に富むJANSIの専門家の一員として更なる高みを目指したいと思います。
※1 WANO:世界原子力発電事業者協会。1986年のチェルノブイル事故を契機として提案され、1989年に発足した原子力発電事業者の国際的協力機関。会員相互の交流により原子力発電所の運転に関する安全性と信頼性を高めることを目的としている。原子力施設の評価、運転情報の交換、運転データの収集、事故情報の交換、国際機関との協力などの活動を行っている。
※2 INPO:米国の原子力発電運転協会。商用原子力発電の高度の安全性と信頼性の推進のため、原子力発電事業者により非営利法人として1979年に設立された自主規制機関。JANSIは日本の事業者を代表するINPOの会員である。
※3 エクセレンス:世界最高水準の安全性。
※4 ギャップ:原子力施設の運営状況や設備の状態、安全文化の健全性や改善への取組み具合をエクセレンスと比較した場合のギャップ。
※5 パフォーマンス:原子力施設の運営状況や設備の状態、安全文化の健全性や改善への取組み具合。
※6 リードレビュワー:ピアレビュー時の各分野でのリーダーを指す。社内認定資格の一つ。
※7 WANOピアレビューとの同等性:JANSIのピアレビューが国際的に認められたプロセスに基づいて、世界最高水準の安全性の実現を目指して実施されていることを認めるもの。JANSIのピアレビューは、WANOから同等性を認められた世界で最初の発電所ピアレビューになった。
私の所属する総括Gは、対外組織との調整やレビュー活動全体の方向性を示すことが主な業務となるグループです。WANO※1やINPO※2等海外の組織と連携したり、電力会社の各担当者に集まっていただく評価支援会議などの取りまとめを行ったりしています。総括Gのメンバーは、グループとしての仕事も行いますが、最も中心となる業務はピアレビューにおけるレビュワーとなります。
私は教育訓練(TR)分野と運転分野(OP)のレビュワーを担当しており、これまでで5回のピアレビューに参加しています。
発電所では、各部署が独自に教育や訓練を行っている場合が多いです。教育訓練分野のレビューではそういった実情を踏まえたうえで、発電所全体の教育訓練に関わるエクセレンス※3とのギャップ※4を見定める必要があります。また、教育訓練に関するギャップがあったとしても、現場のパフォーマンス※5が良好で悪い影響が出ていない場合もあります。そういった場合でもどこが課題なのか、どうして改善が必要なのか等納得してもらえるよう議論を尽くすことが求められます。
運転分野については自身がJANSI へ出向する直前まで勤めていた、浜岡原子力発電所の運転部門での経験を活かしてレビューを行っています。運転分野でリードレビュワー※6の認定を受けることが現在の目標の一つです。