JANSI新卒職員インタビュー

西村 洋介さん

技術支援部
放射線・化学グループ

西村 洋介さん

九州大学工学府量子物理工学専攻

2016年度入社

2017~2019年度 中部電力浜岡原子力発電所出向

2020~2021年度 JANSI評価計画部(現ピアレビュー計画部)配属

2022年度~   JANSI技術支援部 配属

 
現在の業務

―まず、現在の業務について教えてください。

私は現在、放射線・化学グループに所属しています。放射線防護分野のレビュワーとして全国各地の原子力発電所へ赴き、安全上の弱点が無いかを評価する業務(ピアレビュー)が主な業務です。


―放射線防護分野のピアレビューはどのようなものですか?

放射線防護分野では、放射線防護に係る作業や機器の状態等が主なレビューの対象です。防護服を着た状態での作業や、汚染管理区域での機器の維持・管理の状況等を観察し、被ばく線量や放射能汚染を外に持ち出すリスクを少しでも下げるために指摘を行います。


―ピアレビュー以外の業務もあるのですか。

ピアレビュー以外の業務としては、放射線防護に係る会議を開き、電力会社等と情報共有、意見交換を行っています。また、放射線関連の学会を通じて最新の知見をチェックしています。


―ピアレビューのために常に最新の知見を収集しているということですね。

 
キャリアフロー

―JANSIに入ってから現在までのキャリアについて教えてください。

入社1年目は各部署を回り、協会全体の業務を経験しながら学んでいきました。この期間中に原子力発電所やその他の原子力関連の会社のピアレビューにも同行させてもらいました。

2年目から3年間は、中部電力(株)の浜岡原子力発電所に出向し、運転員の業務に従事しました。

 

―出向から戻られてからはどのような業務をしていたのですか?

出向から帰ってから2年間(5~6年目)は評価計画部(現ピアレビュー計画部)に配属され、ピアレビューの運営事務局業務をしていました。私が出向から戻ってきた頃はコロナ禍の只中でした。ピアレビューは各原子力発電所へ実際に赴いて評価をする活動です。感染者数の多い東京から原子力発電所へ感染を拡大させてしまうことは絶対に避けなければなりません。そのため、WEBでのインタビュー実施や、飛沫感染を防止するシールドを設置したチームルーム設計等、これまでになかったような対応が求められ、常に試行錯誤の2年間でした。また、入社1年目の時の同行とは異なり、現場の知識を学んだうえで事務局としてピアレビューに参加したため、レビュワーがどのような観点で観察し、インタビューを行っているのかをより具体的に理解する貴重な経験となりました。


西村 洋介さん

―レビュワーになる前にピアレビューを知る良い機会だったのですね。そして7年目の現在は自身も放射線防護分野のレビューを実施していると。

はい。現在はレビューチームの一員となり、各発電所のレビューに参加しています。


―レビュワー業務を経験したうえでの所感を教えてください。

初めてレビューする立場でピアレビューに参加して痛感したことは、他のベテランレビュワーと比べて、私自身のモノの見方や実践的な知識が不足しているということでした。これを改善するには、継続した学習と多くの経験が重要となりますので、少しでも多くのピアレビューに参加し、一人前のレビュワーになれるよう頑張りたいと思います。


―7年目までのキャリアについてよくわかりました。ありがとうございました。


生活

―少し話題は変わりまして、生活面について教えてください。東京での生活はいかがですか?

私は現在一人暮らしなのですが、一人暮らしをするのに東京は良いところだと思いますよ。感染症予防で混雑する場所へ行くことは自粛していますが、たまに予定を決めずふらっと外に出たりします。東京では毎週様々な所でイベントをやっているため、出歩くと何かしら新しい発見があり飽きませんね。


―東京での暮らしを満喫しているのですね。出向先での暮らしはいかがでしたか?

出向先では運転員として業務をしていたと先ほどお話しましたが、基本的に出向先の発電所の業務サイクルに従います。私の場合は、運転員の勤務は8日間のサイクルで日勤と夜勤を行うのですが、そのうち3日間は休みで1日は明け日(夜勤明けの休みのこと)となります。体力のある人にとっては8日サイクルのうち休みが4日ということになります。また、出向中は発電所の寮で生活をしていました。通勤には専用のバスがありますが、私生活には車が必要だと思います。東京での暮らしが長い方ですと最初は少し戸惑うこともあるかもしれませんが、ちょっとした用事で隣の市、さらにその隣の市まで行くことも多いです。原子力発電所がある市近辺は海が近いためおいしい魚料理が食べられますし、釣りなどもでき、東京とは違った楽しみがありました。


―出向先での暮らしも充実していたのですね。


仕事のやりがい

―さて、インタビューも終盤ですが、仕事のやりがいについて教えてください。

発電所の方々は、自身の仕事に誇りをもって取り組まれています。ピアレビューではその業務に対し、厳しい目で発電所のパフォーマンスを観察し、指摘しなければなりません。そのため時には発電所の方々から強く反発される場合もあります。しかし、ピアレビューの目的は発電所の安全性を向上するために改善のタネに気づいてもらうことですから、きちんと話し合うことで課題を共有し、納得してもらえるよう努めます。そうした活動の中で、発電所の方々から感謝されると、やっていて良かったと感じます。


―JANSIと発電所の双方が安全性向上のためという共通の認識を持つことが重要ということですね。


今後の目標、就活生へのメッセージ

西村 洋介さん

―最後に、自身の今後の目標と就活生へのメッセージをお願いします。

レビュワーとしての自覚を持ち、学ぶことを怠らずに多くのピアレビュー経験を積み、日々研鑽していくことで原子力産業界の安全性向上に貢献していきたいです。

就活生の皆さん。原子力産業界と一言で言っても様々な業種があります。広く業界研究をしてみてください。その際にJANSIにも興味を持ってもらえたら嬉しいです。


―インタビューは以上です。ありがとうございました。