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PRA用パラメータ専門家会議 第9回議事概要

日時 平成26年11月27日(木)13時30分 ~ 16時00分
場所 原子力安全推進協会 13階 第B,C会議室

出席者(順不同 敬称略)

委員 笠井主査(秋田県立大学)、高田副主査(大阪大学)、牟田委員(東京都市大)、
栗坂委員(JAEA)、吉田委員、桐本委員(電中研)、松中委員(東京)、
野村(関西、成宮委員代理)、友澤委員(四国)、藤井委員(東芝)、曽根田委員(日立GE)、
黒岩委員(三菱)、丹野委員(TEPSYS、佐藤代理)、倉本委員(NEL)
常時参加者 鳴子(NESI)、福田(GIS、根岸代理)
事務局 橋本幹事、錦見、河井、鎌田(JANSI) 

議事概要

  1. 前回議事録の確認
  2.   
  3. 最終報告書の検討について
    幹事より、資料PARA9-2を用いて、PRA用パラメータの推定手法に関する検討報告書へのコメントに対する対応結果および前回会議以降に追記した個所について説明した。
  4.  
  5. 機器故障率の推定方法について
    (1)機器故障率の推定手法について
     委員より、資料PARA9-3-1を用いて、機器故障率(ディジタル制御機器)の推定手法について説明した。

    ⅰ)前回、一般故障率を推定するために選択する事前分布のパラメータが、事後分布のEFに対してどう影響するか分からないとの指摘があった。そこで、EFの相場感を確認するために、EFの異なる事前分布を用いて、事後分布のEFがどのように変化するかについての感度解析を行った。
    • 故障件数が少ない機種の場合、時間故障率を0.01倍、1倍、100倍と変化させた場合、EFは供用時間に大きく影響を受ける。一方、デマンド故障率を0.1倍、1倍、10倍と変化させた場合には、EFはあまり強く影響を受けないことが分かった。

    ⅱ)新手法をディジタル制御機器に適用すると、EFが非現実的な値となる場合があった。これは、プラント数が少なく(4プラント)、事前情報(米国データ)と国内データの実態が異なるためと考えられる。そこで、4プラントすべての故障率が同一であるとする簡易化モデルの適用について検討した。簡易モデルの適用により、事前情報に対してEFが安定することを確認した。

    ⅲ)新手法を適用して計算した一般機種故障率から個別故障率を算定する方法の例を示した。
    • 0件故障では事前分布のEFが個別故障率のEFに対して強く影響し、故障件数がある場合には事前分布のEFは個別故障率のEFに対してあまり影響がない。
    • 0件故障機種の個別故障率を算出する場合についてはある程度の供用時間が必要となる。

    (2)新旧故障率のCDFに対する感度について
     委員より、資料PARA9-3-2を用いて、新旧手法それぞれの国内26ヶ年の事後分布(故障率)をPRAモデルに 取り込んでCDFを評価し、新旧故障率のCDFに対する感度の検討結果について説明した。
    • 代表的なPWRプラントのPRAモデルを対象として、CDFの感度を確認した。
    • 以下の①~③に該当する故障モードを選定し、選定された故障モードのうちPRAモデルでモデル化しているものを対象に、PRAモデルに取り込んでCDFの感度を確認した。
      ・選定① 2.PRAモデルの基事象のFV重要度が0.005以上の基事象の故障モード
      ・選定② 新旧手法の故障率を比較して、3倍以上変化した故障モード
      ・選定③ 21ヶ年の故障率に対して、旧手法の26ヶ年の故障率が大きく増加(時間故障率は10倍、デマンド故障確率は5倍)した故障モード
    • 評価に使用したPWRのPRAモデルでは、新故障率に基づくCDFは、旧故障率に基づくCDFに対して、約5%増加した。
    • 新故障率に基づくCDFが約5%増加したのは、タンク閉塞の故障率が増加(旧:5.1E-8(/h)→新:2.2E-7(/h))したことが主要因となった。タンクの閉塞は発生実績が0件の故障モードであり、事前情報の故障率の影響を事後分布の故障率が強く受けることが分かった。
    • 今後、タンク閉塞等に関しては、事前情報の故障率と発生実績、事後分布の故障率の関係を整理し、必要に応じて事前情報を変更する。
    • BWRのPRAモデルでは起動失敗故障モードも時間故障率でモデル化していることから、新旧故障率のCDFに対する感度がPWRとは違った結果が得られると考えられるため、BWRにおいても確認が必要である。

  6. 最終報告書のまとめについて
    幹事より、資料PARA9-4を用いて、前回会議以降の追加個所を中心に説明した。専門家会議は今回を最終回とし、報告書については、事務局で今回議論した内容を反映した後、結果をお知らせすることとした。

  7. その他
    幹事より、報告書のホームページ公開例およびPSA2015発表論文案について紹介した。

以上