活動実績等

PRA用パラメータ専門家会議 第6回議事概要

日時 平成26年8月27日(水)13時30分 ~ 15時20分
場所 原子力安全推進協会 13階 第1,2会議室

出席者(順不同 敬称略)

委員 笠井主査(秋田県立大学)、牟田委員(東京都市大)、栗坂委員(JAEA)、
松中委員(東京)、吉田委員、桐本委員(電中研)、友澤委員(四国)、
藤井委員(東芝)、曽根田委員(日立GE)、黒岩委員(三菱)、佐藤委員(TEPSYS)、
倉本委員(NEL)
常時参加者 西野(JAEA)、曽我(電中研)、鳴戸(NESI)、福田(GIS、根岸代理)、門田(NEL)、
衣旗(日本原燃、玉内代理)
事務局 橋本幹事、河井、鎌田、錦見(JANSI)

議事概要

  1. 前回議事録の確認
  2.   
  3. 人事について
    幹事より、委員の交代を付議し、主査の承認を得た。
  4.   
  5. 機器故障率の推定手法に関する解決策の検討
    委員より、機器故障率の推定手法に関する解決策の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • 事前分布をHalf-Cauchy+正規分布に絞って収束性の確認を行ったところ、個別故障率/確率の一部の収束性に問題があったため、改善策について検討した。ただし、Half-Cauchy手法を適応した場合、発電所の重ね合わせで求めるため、個別故障率/確率の一部が収束していなくとも基本的に収束性の問題はなくなると考えられる。
    • まず、事前分布パラメータの設定に関し,Half-Cauchy分布は、米国データから導出したσUSが分布の中央値となるようにAを設定する。 正規分布は、米国データから導出したμUSを分布の中央値とし、σμは分位点から設定する。デマンド故障率はそれぞれ対数正規分布に近似して同様に扱う。
    • 事前情報がない機器の事前分布は、①類似機器の値を利用②米国機器故障率/確率の合算値を利用③工学的判断、のどれかの手段を選択して決める。②について、米国の故障率/確率から算出したσとμの平均値を一般事前分布として利用する。この場合はσμ=3とすれば実質的にμの範囲をカバーできる。
    • サンプリングの改良としてChain数を増やす(2→10)ことで,Gelman Plotによる検定が改善されるとともに、Running Averageなどの目視による判断が容易になる。
    • 外れ値が出る理由(時間故障率)は,対数正規分布であるため、σの値が大きい場合に分散が大きくなるためである。よって,σのとりうる値を制限することによって,非現実的な外れ値を除外することができ、個別故障率にはほとんど影響はない。ただし、σを制限する方法は説明性に乏しいのが問題。
    • デマンド故障確率の外れ値についても、対数正規分布に近似できることを利用して、時間故障率と同様の上限を用いて外れ値を除外する。収束しない場合には必要に応じて上限を下げることで対応する。
    • 時間故障については従来手法による一般機器故障率では収束しない熱交換器外部リーク(個別故障率の収束は不明)、デマンド故障機器については前回解析で個別故障率に収束性に問題があったファン/ブロワ―の両者について個別故障率の収束判定を行った結果、Gelma-Rubin検定およびRunning Averageともに収束していることを確認でき、従来の手法で収束しない機器にEPRIの手法が適応できることを示した。

  6. 起因事象発生頻度推定手法の検討
    委員より、起因事象発生頻度推定手法の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • PRA用パラメータ整備WGではJANSIの試算結果についての議論は特に行われておらず、機器故障率と同様の個別プラントデータを用いた階層ベイズ手法により一般発生頻度を計算しているため、特に発生事象数がごく少ない、あるいは0の事象については、機器故障率と同様の問題点(収束性、超母数分布幅不足)を含む可能性がある。
    • LOCAの発生頻度について、0件の事象では0.5件として個別プラントで事前分布を設定すると~10-2/yと一桁大きくなる可能性がある。機器故障率の米国評価値事前分布利用と同じ方法で計算条件を改良した結果、~10-3/y程度となる。一般パラメータについては、機器故障率同様、収束していないものがある可能性があるので、EPRIの手法の適用について検討する必要がある。
    • JANSI試算と同条件で確認計算を行ったところ、Gelmanプロットはやや未収束、さらに自己相関の改善が必要であることがわかった。計算条件を改良(サンプル数増とthinning)した結果,事後分布およびGelmanプロットがやや改善し、自己相関はなくなった。
      
  7. 今後のスケジュール
    事務局より、今後のスケジュール、次回議題案について説明し、第7回PRA用パラメータ専門家会議を9月25日(木)に開催することとした。

以上