活動実績等

PRA用パラメータ専門家会議 第5回議事概要

日時 平成26年7月31日(木)13時30分 ~ 15時10分
場所 原子力安全推進協会 13階 第1,2会議室

出席者(順不同 敬称略)

委員 笠井主査(秋田県立大学)、牟田委員(東京都市大)、栗坂委員(JAEA)、
吉田委員、桐本委員(電中研)、松尾委員(TEPSYS)、成宮委員(関西)、
友澤委員(四国)、 藤井委員(東芝)、曽根田委員(日立GE)、黒岩委員(三菱)、
佐藤委員(TEPSYS)、大家(NEL、倉本委員代理)、鎌田委員(JANSI)
常時参加者 西野(JAEA)、曽我(電中研)、鳴戸(NESI)、杉原(GIS、根岸代理)、玉内(日本原燃)、
門田(NEL)、山岡(東芝)
事務局 橋本幹事、錦見、河井(JANSI)

議事概要

  1. 前回議事録の確認
  2.   
  3. 機器故障率の推定手法に関する解決策の検討
    委員より、機器故障率の推定手法に関する解決策の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • デマンド故障確率でも裾きりの問題が存在する可能性がある。
    • デマンド故障率が小さい場合のロジット正規分布は対数正規分布に近似できるため、時間故障率のときと同様にHalf-Cauchy(σ)と正規分布(μ)を事前分布とした。なお、ロジット正規分布に対する共役事前分布はわからないので今回は未考慮。
    • 収束性をRunning Average、Gelman-Rubin検定により確認した。
    • StanでOpen BUGSと同様、機器デマンド故障確率推定が再現できることを確認した。
    • 収束性を確かめる対象をデマンド故障は電動ポンプ(起動失敗)・ファンブロア(起動失敗)、時間故障は逆止弁(内部リーク)・蓄電池(機能喪失)とした。
    • 故障件数が多い電動ポンプはサンプル数10万ですべての発電所について収束することを確認。ファンブロア・逆止弁はサンプル数100万においてRunninng Averageで見ると収束が怪しいものがある。蓄電池についてはサンプル数100万においても収束しないものがあった。供用時間が少ない発電所は個別故障率が収束しにくい傾向にある。収束させるためにはサンプル数を増やす、Cauchy事前分布のAの値を見直す(小さくする)等の対処法がある。なお、全発電所数が多ければ、マージして一般故障率を作れば、未収束の影響は少ないかも知れない。
    • EPRI手法は一般機器故障率を個別発電所推定結果の重ね合わせで求める手法。平均値、分散、平均故障件数は個別発電所やデータと整合していると思われる。今回は、各発電所を等価で重ねあわせる方法(EPRIの方法)および発電時間で比重をかけて重ねあわせる方法(曽我常時参加者考案の方法)のそれぞれについて故障率の計算を行った。
    • デマンド故障について計算した結果、どちらの方法においても収束性に問題はなく、特に時間比重でマージする方法については、供用時間が少ない発電所の故障率がマージされにくくなるため、収束しにくい機器に対してもその影響が出にくいと考えられる。

  4. 共通原因故障パラメータの推定方法に関する解決策の検討
    委員より、共通原因故障パラメータの推定方法に関する解決策の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • 一般故障率のような計算手法上の問題はCCFパラメータについてはない。国内トラブル事例を使って電中研でから試評価したCCFパラメータの値は米国評価値よりも一桁以上大きくなったため、実務者はその使用に慎重となっている。日本のCCFが大きくなった理由は、米国に比べると故障件数が少なく、CCFがあると相対的にその割合が大きくなるため。問題は統計的な推定手法よりもデータ収集とデータ分析における品質確保にある。
    • 国内パラメータを確信もって使えるようになるには、①データ収集・登録の場面で、PRA/CCF対象範囲と収集する情報を定義する、②PRA故障判定プロセス内でCCF判定を行う、③データ登録情報を充実させる、等が理想であるが、現実と乖離がありこれらの実施には時間を要すると思われる。
    • 今後、CCFのデータベースをニューシアに登録したうえで工学的判断材料および計算式を提示して電力にレビューを依頼することを計画している。
      
  5. 今後のスケジュール
    事務局より、今後のスケジュール、次回議題案について説明し、第6回PRA用パラメータ専門家会議を8月27日(水)に開催することとした。

以上