活動実績等

PRA用パラメータ専門家会議 第4回議事概要

日時 平成26年6月25日(水)13時30分 ~ 15時50分
場所 原子力安全推進協会 13階 第3,4会議室

出席者(順不同 敬称略)

委員 笠井主査(秋田県立大学)、高田副主査(大阪大学)、栗坂委員(JAEA)、吉田委員、
桐本委員(電中研)、松中(TEPSYS、松尾委員代理)、野村(関西、成宮委員代理)、
友澤委員(四国)、藤井委員(東芝)、曽根田委員(日立GE)、黒岩委員(三菱)、
佐藤委員(TEPSYS)、門田(NEL、倉本委員代理)
常時参加者 西野(JAEA)、曽我(電中研)、鳴戸(NESI)、根岸(GIS)、玉内(日本原燃)
事務局 橋本幹事、佐竹、河井(JANSI)

議事概要

  1. 前回議事録の確認
  2.   
  3. 機器故障率の推定手法に関する解決策の検討
    委員及び常時参加者より、機器故障率の推定手法に関する解決策の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • Cauchy分布及び共役事前分布に着目し、事前分布のパラメータを作成し、複数機器に対してベイズ統計結果を確認した。
    • 共役事前分布は0件故障では故障率の値が非常に大きく、σの事後分布があまり更新されない問題点があるが、収束性は良い。
    • Half-Cauchy分布、Truncated Cauchy分布、Generalized Half-Cauchy分布は推定故障件数の再現性が高いが一般機器故障率を用いた場合では一部再現できず、また収束性が悪い(A、nの値を適切に決める方法が無い)問題点がある。
    • 再現性であればCauchy分布が有用であり、収束性であれば共役事前分布もしくはEPRI手法を併用することが有用である。
    • 故障件数が0でない機器についても米国故障率評価値(米国NRC SPARモデルに用いられている評価値(NUREG/CR-6928))を事前分布に用いて国内故障率の階層ベイズ推定を実施し、モンテカルロ計算の収束性と実故障件数との整合性を確認した。
    • 一般故障率は、サンプル数32万回では収束しておらず、BUGSからStanにより収束性の改善を図っているが、まだ問題がある。
    • 個別プラント故障率は、推定した故障率から予測した故障件数と観測件数とは比較的整合性がある。
    • 故障件数0件の場合も0件でない場合も、米国評価値から超事前分布を作成して階層ベイズ手法を適用することにより、個別プラント故障率の推定は故障実績と整合性のある結果を得ることができることを確認した。
    • マルコフ連鎖モンテカルロ計算の収束性は収束確認手法(Gelmanプロット等)による確認、自己相関がほとんどないことの確認、Running averageの目視による収束傾向を確認することが望ましく、データとの整合性は推定したパラメータから生成するはずのデータを予測し、観測データと同様の傾向が見られるかどうかを確認する必要がある。
    • 一般故障率の収束性、デマンド故障確率推定に対する本手法の適用性検討、米国評価にない機器・故障モードの事前分布の作成に課題がある。

  4. 29ヵ年データ報告書への反映、推定手法の検討
    幹事より、29ヵ年データ報告書への反映、推定手法の検討について説明した。
    概要は以下のとおり。
    • 29ヵ年データ報告書では、これまでの専門家会議の検討結果を考慮し、26ヵ年データ報告書の推定手法から計算ソフト、超事前分布、事前情報の導入、一般故障率の算出方法、報告書掲載の分布形を変更することとした。
    • 今後、26ヵ年データ報告書において実態に合っていないと思われる機種を選定し、事前情報の導入等について検討する。
      
  5. 今後のスケジュール
    事務局より、今後のスケジュール、次回議題案について説明し、第5回PRA用パラメータ専門家会議を7月31日(木)に開催することとした。

以上