活動実績等

第30回体験型安全文化管理者セミナーを開催

平成29年10月2日(月)、10月3日(火)に、JR東日本総合研修センター(福島県白河市)において、第30回体験型安全文化管理者セミナーを開催し,24名の参加がありました。

◆安全講演①「JR東日本の安全への取り組み」

安全に対する基本的な考え方、鉄道の特性を踏まえた安全確保の考え方等、JR東日本における第一線社員への教育内容について紹介してもらいました。「安全とは、危険でない状態を確保・向上しようとすることによって達成できるもの」というJR東日本としての考え方や、人間の特性を踏まえた「自分だけは大丈夫という過信の壁を低くする努力」、「忘却曲線を考えた繰り返し教育」など、原子力安全文化の向上にも役立つヒントが多数ありました。


◆安全講演② 「ヒューマンエラー:エラーのパターンを学ぶ」

人間の行動は自分のやる気・意識水準・職場環境などに大きく左右されることや、危険感受性が鈍った時には事故が発生しやすくなることについて、具体例を交えて紹介してもらいました。人間の特性上、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは不可能であるが、新人・熟練者・現場第一線・管理者が陥り易いエラーのパターンを自覚していることで、何かが起きそうな時や起きてしまった時に、これらのエラーパターンを思い出し、エラーを回避することに役立てることを学びました。

◆運転シミュレーター訓練(体験)

電車の運転士が実際に訓練で使用しているシミュレーターを用いて、運転士が行っている訓練の一部を体験しました。制限速度を順守した運転、指示信号の発声や指差喚呼は、何とかできたものの、その安全確認動作をしながらホームの指定位置に停めることのできた受講生はいませんでした。

◆安全講演③「過去の事故に学ぶ」

JR東日本では、社員の安全教育の意識付けとして、事故の歴史展示館を活用している。事故の凄惨さや社会的な影響の大きさなどを感じ、過去の代表的な事故事例を「起こり得ないと思わず、起こってしまったら自分はどうするか」および「起こらないために自分はどうするか」と捉えることで学びとしていました。原子力安全の考え方にも共通するものであり、原子力安全文化の向上に役立つ学びができました。

◆基本動作訓練(体験)

屋外にて、発声、整列、点呼、正しい指差呼称のやり方などの基本動作訓練を体験しました。

◆列車防護訓練(体験)

実習用の線路において、列車防護訓練(事故時等に信号システムや発炎筒等を用いて対向列車を止め、併発事故を防ぐための訓練)の体験学習を行いました。講師から「最近は多くの安全システムが確立してきているが、システムがダウンすることもありえる。最後は人が列車を停止するしかない。乗客や同僚の人命のためにも、確実に列車を止められるよう大きな声で、大きな身振りで信号炎管を振ってほしい。」との心構えをもらい、安全確認や信号炎管の操作を、緊張感をもって実施できました。

◆グループワーク [セミナー内容の振り返り]

最後のプログラムとして、「今回のセミナーで参考になったことや学んだことを職場でどの様に活かすか」について、グループワークを行いました。グループ討議や発表・質疑応答を通じて、セミナー内容と活用について、更に理解を深めることができました。

<アンケート>

セミナー後のアンケートでは、次のようなご意見・ご感想を頂きました。

事故を風化させないよう、2度と起こしてはならないとの努力を感じました。事例をただ展示するのではなく、グループ企業の全社員に体感させるなど、安全文化の取組が徹底されていることに感心しました。

JR東の安全文化教育を通じて、原子力関係者の皆さんと意見交換することができ、非常に有意義なセミナーでした。

今回の研修では、座学に加えて基本動作や列車防護訓練等、安全に対する気持ちを更に向上することができた有意義な研修でした。特に、講義で紹介のあった「確認会話」はヒューマンエラー防止に有効だと思われるので、今後業務に取り入れたいと思いました。

特別講義は、事故を風化させず、弛みない安全性向上の意識と活動の大切さについて迫力のある説明をいただき、胸を打つ印象的なものでした。


以上



(協力:株式会社JR東日本パーソネルサービス)