平成27年7月30日(木)、7月31日(金)に、JR東日本総合研修センター(福島県白河市)において、第28回管理者セミナーを開催し、26名の参加がありました。
安全への基本的な考え方、鉄道の特性を踏まえた安全確保の考え方等、JR東日本における第一線社員への教育内容についてご紹介いただきました。特に、安全第一の意味、基本動作を愚直に実行する効用、「何かおかしいと思ったら列車を止めよう」等、原子力安全文化の向上に役立つヒントが多数ありました。講演は、迫力があり、熱のこもった納得感の高いものでした。
人間の特性上、エラーを防ぐことは極めて難しく、エラーを回避し、コントロールするためのヒントとして、管理者が陥り易い幻想エラーについて、具体的な事例を上げて紹介していただきました。安全講演(1)、(2)を通した質疑の中では、JR東日本だけではなく、JRグループ会社や協力会社に対する安全教育等、参加者の関心事項が多数出ていました。
事故の歴史展示館において、過去の代表的な事故事例の説明の他、どのようにして社員の安全教育に活用しているのかについて説明を受けました。
電車の運転士が実際に訓練で使用しているシミュレーターを用いて、受講者が列車運転を体験し、運転シミュレーター訓練のポイントを説明して頂きました。
体育館において、発声、整列、点呼、正しい指差呼称のやり方などの基本動作訓練を体験しました。
線路横断時の基本動作訓練やホームからの転落者を救出する訓練を、ダミー人形を使って行いました。救出訓練では、先ず列車防護をしてからでないと線路に降りてはいけないこと、転落者は一人で救出できないこと等を体験しました。
実習用の線路において、踏切事故時等に対向列車を急停止させる訓練(信号炎管等を用いた列車防護訓練)の体験学習を行いました。
セミナーの内容を振り返り、参加者が各職場で役に立つと思われる内容についてグループ討議およびグループ発表を行い、セミナー内容の理解を深めました。
セミナー後のアンケートでは、次のようなご意見・ご感想を頂きました。
●「安全」という言葉を頭(知識)ではなく心(精神)に届けようとしていることが良く分かった。「心」に届けるために講師が如何に頭を使わないといけないか考えさせられた。
●座学と体験の組み合わせのバランスが良く、効果的な研修だと思います。他産業から学ぶことは多いと思うので、このセミナーの継続をお願いします。
●講義にインパクトがあり、業務の参考になった。安全文化は、通り一遍の説明になりがちであるが、どうしたら腹落ちできるか?そのために何が必要なのかが学べた。
●講師陣の人の命を重く受け止めた上で、真剣に訓練に取組む姿勢が印象深かった。普段中々ない、全力を出すとか、情熱を持つとか、大切なことを思い出させて頂きました。指差喚呼訓練での講師の「指先に魂を込める!」には震えました。
●基本動作の重要性、そしてその効果を得るために安全確保の様々な教育訓練があり、取組みや意識付けを今回の研修で学ぶことが出来た。教育と訓練の違い、また管理者が陥り易い「幻想エラー」等、得られたことを基本に会社で活かしたい。
●他業種の方が実際に訓練で活用している施設を使った研修は、表面的な教育内容だけでなく、その会社がどのような人材をどういった方針で育成したいのかが伝わってきて、大変有意義な研修が出来たと感じた。
以上
(協力:株式会社JR東日本パーソネルサービス)