平成26年7月31日(木)、8月1日(金)に、JR東日本総合研修センター(福島県白河市)において、第27回管理者セミナーを開催しました。
安全への基本的な考え方、鉄道の特性を踏まえた安全確保の考え方、仕組みやJR東日本における第一線社員への教育などについてご紹介いただきました。
東日本大震災では、津波によって5列車が脱線したが、事前に避難誘導が適切に行われていたことで、お客様に一人の死者も出なかった。重大事故時には、マニュアルが役に立たないこともあるので、自ら情報を収集すると共に、連絡が取れない場合は、自律的に判断して生き残る行動をすることの教育を実施していることなどを紹介していただきました。
事故の歴史展示館にて、過去の事故事例をどのようにして社員の安全教育に活用しているのかの説明を受けた。新潟中越地震時に「とき325号」が脱線したが、列車が脱線した付近の高架橋は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえて耐震補強工事が行われており、これによって高架橋の崩壊は免れたとのことであった。また、特急いなほ号の脱線事故では、対向列車を止めるための列車防護を乗務員が必死になってやったことで二次災害が防がれた。
体育館において、整列、点呼、指差呼称などの基本動作訓練を体験しました。
線路横断時の基本動作訓練、ホームからの転落者を救出する体験をダミー人形を使って行いました。救出体験では、先ず列車防護をしてからでないと線路に降りてはいけないこと、転落者は一人で救出できないこと等を体験させていただきました。
実習用の線路において、踏切事故時等に対向列車を急停止させる訓練(信号炎管等を用いた列車防護訓練)の体験学習を行いました。
セミナーの内容を振り返り、参加者が各職場で役に立つと思われる内容についてグループ討議およびグループ発表を行い、セミナー内容の理解を深めました。
セミナー後のアンケートでは、次のようのご意見・ご感想を頂きました。
●一つ一つのステップを踏むことで、緊急時に焦って行動しがちな心の部分を落ち着かせる効果があるように感じた。また、身体でおぼえる、すなわち訓練の重要性など、教育と訓練の役割の違いを改めて認識できた。
●訓練での心構えや、訓練で出来ないことは本番でもできない等、学ぶことがたくさんありました。また、講師の方がとても真剣に教えてくださったのがとても良かったです。
●JRの安全に対する取り組み姿勢、事故事例から得られる教訓等は、今後の業務遂行上の安全文化醸成を形成する上で参考となった。
●非常に熱意があり、伝えることの重要さを学ばせていただいた。熱意もさることながら、心の強さを訓練で鍛えることが重要で、そのために色々なことをやっていると感じた。
●座学および体験学習として講師は非常に真剣に対応いただき、感謝しております。また、丁寧な対応でした。内容的にも伝えたいことの基本は会社にかえっても参考になるものでした。
●「基本動作を愚直に実行する。」、「正しい報告と速やかな報告に心がける。」ことの意味合いを自分で理解し、他の人達にも納得させて、チーム全体が同じ思いでいることが大切だと思った。
(協力:株式会社JR東日本パーソネルサービス)