活動実績等

三菱原子燃料(株)にて
第199回安全キャラバンを実施

2025(令和7)年2月28日、三菱原子燃料(株)(以下、MNFと略す)様において第199回安全キャラバン(安全文化講演及びワークショップ)を実施しました。

1.安全文化講演

 講演へは、MNFの課長、主任クラスを中心に56名が参加いただき、原子力安全推進協会安全文化G部長 辻泰浩より、「安全文化醸成に向けて」と題して、自身の現場における事故・災害事例の紹介と、その後JANSIにて安全文化に携わるようになってから感じている「今、私たちがすべきこと(安全文化醸成が求められる理由)」、及び「安全文化を如何に醸成」していくかについての行動例について話をさせていただきました。


2.ワークショップ

 ワークショップでは、或る造船所で起こった災害事例を例題として、それぞれが被災者、一緒にいた同僚、あるいは課長、部長、さらには社長だったらどうしていたか?どうすべきか?について討論をしました。業務の異なる人たち、また世代を越えてディスカッション出来たことはとても貴重な経験になったようです。(参加者29名)


3.感想

 出席者からは、「我々も長年、安全文化醸成活動をしてきたが、なぜしないといけないのか?かなり漠然としていたが今回、話を聞いて組織の問題として必要なのだと再認識した。」「課長、主任クラスを中心に講演を聞いたが、社長や幹部にもぜひ聞いてほしかった。」との感想が有りました。
 またワークショップでは、「災害事例があまりにすごい内容なので、どんなディスカッションをするのだろうと最初はピンとこなかったが、長年の思い込みで(不安全行動を)やらざるを得なかった、意識すらせずにやっていたというのはまさに組織の文化が現れていると思った。今回の講演及びワークショップ内容は、自職場に持ち帰って、みんなと共有し活用したい。」との発言もありました。
 今回は、講演を聞くだけでなく、出来るだけ一人ひとりに「安全」「安全文化」について考えてもらい、行動することが大事であることを理解してもらう、そのきっかけとなるようワークショップを追加してみました。
 一般的な日本語の「安全(危険が無い、平穏無事)」ではなく、英語の「Safety」が意味するところ、『常にリスクの存在を前提にしてリスク低減活動を行う』ことが重要であるとの認識が根付くきっかけとなったのであれば我々としても幸いです。



 講演会終了後のアンケートでは、以下のようなご意見、ご感想を頂いています。

  • 上司と部下の相互信頼の話のところで、やらされ感やモチベーションのことを話されていて、実際、自分の部署でもそういったところのケアが大事だよなと思った。
  • ゴミなどが有れば取ろうとすること(その為、指を切断)等、作業者目線も取り入れられた資料を作成されており、興味を惹かれる内容だった。
  • 安全パトや教育に携わった者には少し物足りないが、ワークショップで参加者の話を聞いていて丁度良い内容だったように思った。安全文化醸成は難しい内容なので、少しでも「気付き」が得られれば成功だと思う。
  • 最初の事故事例で興味が持てた。安全文化醸成が業務に必要であることを再認識した。
  • 現場で実際に経験されたことを元に説明されたせいか、心に共感出来て興味深く拝聴した。
  • 「安全」と「Safety」の違いが興味深かった。また「QMS強化の弊害」も同感だと思った。(やらされ感が否めない)


 ワークショップについては、

  • 普段の業務が異なる社員同士でディスカッションが行え、現場に近い人と、現場とは関係ない人では考えるポイントが異なるので非常に面白いと思った。
  • 講演も良かったが、ワークショップの時間をもう少し取ってほしかった。
  • 次回こういった機会があるなら、マネジメント層を優先して参加させていただきたい。
  • 自分と年齢の離れた年代とのディスカッションは余りしたことが無いので貴重な体験だった。


 今回、講演70分、ワークショップ60分で行いましたが、ワークショップはエンジンがかかってきたところで時間切れとなった印象を持たれた方が多かったようです。今後の改善に努めたいと思います。

以上