活動実績等

日立造船株式会社 有明工場にて
第196回安全キャラバンを実施

 2024年9月4日、日立造船株式会社(2024年10月1日に「カナデビア」に社名変更)有明工場において、第196回安全キャラバン(安全講演会、意見交換会)を行いました。

1.安全講演会

 講演会には、有明工場の41名が参加され、終始熱心に聴講されました。

講演に先立ち、日立造船株式会社 プロセス機器ビジネスユニット 品質保証部部長 東岩厚史様より、「本日はお忙しい中、私共の工場で安全キャラバンの講演を実施いただきますこと、まことにありがとうございます。有明工場は昨年、日立造船マリンエンジンと私どもが所属するプロセス機器ビジネスユニットの2つに分岐しました。プロセス機器ビジネスユニットでは、使用済み核燃料の輸送用貯蔵容器などの原子力機器と化学プラントなどに納めます圧力容器、熱交換器などを製造しております。こちらの製品はお客様に安心して安全にご利用いただけるものを提供することが我々の使命であります。そのために安全文化の醸成はとても重要なことだと認識しております。しかしながらヒューマンエラーを起因とする事故や品質トラブルは少なからず発生しております。本日ご講演いただく『学習する組織と安全』で、安全を最優先に考えトラブルを再発させない強い組織のありかたというものを講演いただきますので、私共としましてもとても興味深く、学ばせていただきたいと思っております。本日はご講演楽しみにしております。どうぞよろしくお願いします。」とのご挨拶を頂きました。

 講演では、原子力安全推進協会 安全基盤部 安全文化Gのグループリーダー深野琢也、菅千恵より、「学習する組織と安全 —トラブルの再発防止・未然防止のヒント—」と題して、安全文化にまつわる事例のご紹介とアセスメントのアプローチを通して、安全文化の目的や本質を普段の仕事や職場に即してイメージしていただけるように講演を行いました。


 講演の骨子は以下の通りです。

  • 組織内部に潜む欠陥や些細な不確実性(=揺らぎ)も予期せぬ重大な事故や不祥事につながることがあります。揺らぎを全て排除するのは無理なので、組織が大きな過ちを防ぐには、危険な揺らぎを早いうちに察知してレジリエンス(= 本来の姿に戻す復元力)を働かせることが肝心です。
  • それには情報を広く速やかに共有し、集合体としての認識・予測・対応(= 組織学習)能力を高める必要があります。しかし、実際にはしばしば組織自身のありよう(= 組織文化・体質或いはマインド)が誰も意識できない形で人々の発想や選択を方向付け、視野を限定してしまいます。つまり、人を大切にし信頼と敬意で結ばれた開かれた組織でないと、組織の学習能力は歪み、ひいてはレジリエンスが働かないおそれがあるのです。
  • 安全文化とは特別な何かではなく、組織の本来あるべき健全なありように他なりません。自らのありようを正しく認識することが前提であり、批判的・客観的な視点からの組織文化アセスメントは、貴重な学びの機会です。
  • 組織のリーダーは組織文化の形成に決定的な影響力を及ぼす立場にあるので、こうしたことを率先して理解・体現・主導することが望まれます。


講演会終了後のアンケートでは、
●事例の紹介はグループ長としてもリーダーシップの重要性について考え直す良い内容と感じました。
●システム思考(HTOの相互作用)について、具体例などがあるとありがたいです。
●心理的安全性やリーダーシップについて、より詳しく説明していただけたらと感じました。
●ものづくりも作業の各ステップで考え得る限り製造上起こり得るかもしれない問題点をピックアップし、それらを製作までに解決していくということを行っていきますので、安全の未然防止と製作の検討は似ている点があると思いました。

などの意見や感想が多く寄せられました。


2.意見交換会

 安全文化醸成活動についての課題などについて意見交換を行いました。


以上