活動実績等

四国電力株式会社 伊方発電所にて
第188回安全キャラバンを実施

2022(令和4)年9月20日、四国電力株式会社 伊方発電所において、第188回安全キャラバン(安全講演会)をweb会議システムによりおこないました。

1.安全講演会

 この講演会には、伊方発電所から20名の他、本店からも14名の計34名の方が出席され、聴講されました。

 講演に先立ち、伊方発電所長 多田賢二様より、「安全文化は、一朝一夕で醸成できるものではなく、息の長い活動になると考えられる。従って、社内のみならず外部のお話を聞いたりディスカッションして安全文化を高めていきたいと思っているので、今回の講演会を期待しており、有意義な時間にしたいと思っている。」とのご挨拶を頂きました。

 引き続き、原子力安全推進協会 アドバイザー 成瀬喜代士氏より、『福島第一事故「教訓を忘れない」』と題して講演が行われました。講演では、当該事故における政府事故調報告書で提示された7つの知見から該当する福島第一事故の事例を紹介し、発電所で必要な活動と事故の教訓・事例がどのように繋がっているかを知ることで、風化防止につなげていただくことを目的としたお話がありました。

 講演の骨子は以下の通りです。

  • 教訓の反映というのは、一過性のものになったり、さらに教訓であること自体も忘れがちである。特に運営管理に関する教訓の反映において、劣化の危機を回避するためには継続性が不可欠である。
  • 今回は、政府事故調報告書で提示された教訓である7つの知見を軸に説明する。7つの知見は汎用化されており、どこの現場であっても現場活動と密接に関連していることを知ることができる。
  • 事故の教訓が現場活動と密接に関連していることを知ることは、風化防止の根本的な部分と考える。


【7つの知見】
〇知見1:あり得ることは起こる。あり得ないと思うことも起こる。
 ➔ リスクに対する基本認識
〇知見2:見たくないものは見えない。見たいものが見える。
 ➔ リスクに対するマネジメント
〇知見3:可能な限りの想定と十分な準備をする。
 ➔ 深層防護の徹底(リスク顕在化への準備)
〇知見4:形を作っただけでは機能しない。仕組みは作れるが、目的は共有されない。
 ➔ 人のパフォーマンス(構成員の自覚)
〇知見5:全ては変わるのであり、変化に柔軟に対応する。
 ➔ リスク感受性
〇知見6:危険の存在を認め、危険に正対して議論できる文化を作る。
 ➔ 危険に正対して議論する文化
〇知見7:自分の目で見て自分の頭で考え、判断・行動することが重要であることを認識し、そのような能力を涵養
     することが重要である。
 ➔ レジリエンス


講演終了後、伊方発電所長 多田 賢二 様から、「お話しいただいた7つの知見を発電所に照らし合わせると最低限のことはできていると思う。しかし、締めのお話にもあったように環境も色々変わるので、安全性向上の活動には終わりがないという意識を持ち続けていかなければならない。また、意識だけではなく実践していかなければならないと改めて認識した。福島第一事故を忘れないで安全性向上に取り組む良い機会を与えていただいた。」というご講評もいただきました。


講演会終了後のアンケートでは、
●東電の実例等も交えた説明があり、よりわかりやすかった。業務に反映すべき事項もあり、大変参考になった。
●福島第一事故時の教訓を再確認できたことから、安全性向上活動への取り組みの動機付けになった。
●福島事故の教訓、反省を改めて思い知り、思い出し、風化の防止になった。多少なりとも、記憶の劣化や惰性的な業務遂行となっていたことに気付かされた。多いに反省したい。


などのご意見・ご感想をいただきました。



 

以上