2021(令和3)年9月30日、神奈川県横須賀市にある一般財団法人 電力中央研究所 エネルギートランスフォーメーション研究本部において、Webを利用した安全キャラバン(安全講演会)をおこないました。
講演の要旨は以下の通りです。
・複雑にもつれ合う現実世界では、些細な不確実性(=揺らぎ)も予期せぬ重大な事故につながることがあります。揺らぎを全て排除するのは無理なので、組織が大きな過ちを防ぐには、危険な揺らぎを早いうちに察知してレジリエンス(= 本来の姿に戻す復元力)を働かせることが肝心です。
・それには情報を広く速やかに共有し、集合体としての認識・予測・対応(= 学習)能力を高める必要があります。しかし、実際にはしばしば組織自身のありよう(= 組織文化・体質或いはマインド)が誰も意識できない形で人々の発想や選択を方向付け、視野を限定してしまいます。つまり、人を大切にし、信頼と敬意で結ばれた開かれた組織でないと、組織の学習能力は歪み、ひいてはレジリエンスが働かないおそれがあるのです。
・安全文化とは特別な何かではなく、組織の本来あるべき健全なありように他なりません。自らのありようを正しく認識することが前提であり、批判的・客観的な視点からの組織文化アセスメントは、貴重な学びの機会です。
・上述したことは、御社の掲げるビジョンの実現に向け、戦略を策定し実践・組織学習をすることについても同様です。すなわち、組織(文化)のありようをシステミックに把握し、必要な変革と通じて健全な組織(文化)を醸成し続けることが重要です。組織のリーダーは組織文化の形成に決定的な影響力を及ぼす立場にあるため、こうしたことを率先して理解・体現・主導することが望まれます。
●実例を基に、そのエッセンスを端的に講演いただき、重要だと思っても忙しくてなかなか時間を割けずにいたことを勉強できて大変よかったです。
●実例が有意義なこともさることながら、お話自体が面白くて聞きやすいと感じました。
●このような重要な講演については、やはり生で熱量が伝わるように聞きたい。
などの感想を頂きました。
以上