活動実績等

(株)ジェー・シー・オー 東海事業所 および 住友金属鉱山(株) 経営企画部 グループ事業管理室 技術センターにて第168回安全キャラバンを実施

平成29年11月22日、茨城県那珂郡東海村の(株)ジェー・シー・オー 東海事業所において、(株)ジェー・シー・オー 東海事業所および住友金属鉱山(株) 経営企画部グループ事業管理室 技術センター 合同の第168回安全キャラバンを実施し、グループワーク形式の安全講演会を行いました。

1.安全講演会

茨城県東海村の(株)ジェー・シー・オー 東海事業所および住友金属鉱山(株) 技術センターの社員及び協力会社の社員等38名が出席されました。

講演会の冒頭、(株)ジェー・シー・オー 代表取締役社長の 桐嶋 健二様、および住友金属鉱山(株)技術センター センター長の林 桂一様から、ご挨拶をいただきました。

桐嶋様からは
「当社は、臨界事故から約18年が経過しており、これまでに様々ないわゆる事故処理業務は終えて、現在は違うフェーズに入っているという認識である。現在は管理業務がルーチン化したことによる、その後の片付けを積極的にやっているという状況で、具体的には、2015年より保管溶媒の焼却処理を開始し、さらに2016年からは保有する旧加工施設の解体あるいはウラン及び金属のリサイクルを開始している。当社は18年前に未曾有の事故を起こしたため、当社の最大の目標は失った信頼を回復することであり、いずれの業務も地元住民の皆様を含め関係者の皆様すべてから十分なご理解を得ながら進めようとしている。特に、近隣住民の皆様の信頼を回復することが重要であり、その前提として安全を積み重ねるということが大変重要になっている。こうしたことから、私どもの安全への取組の一つとして、今回のような外部の皆様から安全キャラバンのような刺激を受けるということが、大変重要な機会であると思う。本日の安全キャラバンが今後の私どもの安全活動に役立つことを期待し、本日参加している社員、もしくは協力会社の方々については、ほぼ丸一日の安全活動になるので、これを貴重な機会として活かして、積極的に参加していただきたいと思う。是非、何か新しい気づきを持ち帰っていただきたいと思う。」
とのご挨拶をいただきました。

林様からは
「本社の方から、あるいはグループ活動でも毎日安全、安全、安全と言われ、しかも最近では挨拶の前に『ご安全に』という言葉を聞いて、嫌になっている方々もいるのではないか。そうなるとまた安全かということで、実際に本当に必要な安全に対する考え方や行動が徐々になくなっていき、お互いの話もなくなっていく。これは、コミュニケーションがなくなっていくということと同じことである。しかし、今日のプログラムでは新しい目をもって『安全』ということを考えていきたい。ある意味では、給料をもらって安全をやるというように、割り切っても良いと思う。毎日同じ顔を合わせて『この人は同じ事をまた言うな』と感じるのではなく、給料をもらって安全の活動をするという目で見れば、また新しい考え方が出てくるのではないか。そういう意味で、今日の講演会で新しい考え方をとり入れて、明日からの安全を考えていきたいと思う。これまで、大きな災害なく解体工事や除染工事を実施してきているので、我々としては給料をもらって『プロの安全』で今後10年間も無災害であるということにつなげていきたい。」
とのご挨拶をいただきました。

ご挨拶の後、(株)ジェック 専務取締役 越膳 哲哉 様から「安全のためのコミュニケーションスキルの重要性」と題して、出席者へのグループワーク形式のご講演をいただきました。

講演では、

◆組織文化とは、目に見えるものや目に見える行動パターン、あるいは、言われ続けやり続けることによってその組織の大多数の人に根付いている共通の「当たり前」から成るということが大前提である。その中でも安全に直結するところに、安全文化という概念がある。
◆安全文化の中で大事なのは、大多数の人に根付いているものとしての「安全最優先」という価値観であるが、それに対してリーダーによるリーダーシップ(双方向の影響力)の発揮が必要であり、「教えてやらせて言い続けて習慣にさせる」ということの積み重ねが大きく影響して文化はかたちづくられる。あわせて、安全を確保するための仕組みを常に整えることが必要である。
◆なかでも、円滑なコミュニケーションは非常に重要である。当然通じるだろうと思っていたことが通じなかったり、こちらは伝えたはずで相手も確認したはずなのに、あとで認識がずれていたことが明らかになることも多い。また、こちらの当たり前と相手の当たり前が違うとコミュニケーションが成り立たないこともある。JANSIの安全文化の7原則でも、やはり「円滑なコミュニケーション」の原則が他の様々な原則との関係性が強く、関係するパイプの数が多いことが明らかになっているとのことである。
◆そして、一人一人、組織全体の姿勢として常に問いかける姿勢が必要であり、潜在的なリスクの認識を常に考えるような、活気ある職場環境が必要である。これらのそれぞれの要素の中でもやはり、コミュニケーションが非常に大きい影響力を持つ。コミュニケーション能力は先天的に備わったものではなく後天的に体得可能な能力であるため、伝える、聴く、褒める、叱るといった様々な要素の技術を獲得し、レベルアップさせていくことが重要である。
◆職場の安全には、円滑なコミュニケーションができる環境をしっかりとつくり、コミュニケーションギャップを減らし、最終的にはエラー・ミス・事故が発生する確率の低い組織文化を作っていっていただければと思う。

との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

コミュニケーションは組織文化向上には必要であることが再確認できた。
今後、この講演を機に、職場のコミュニケーションの活性化につなげていきたいと感じた。
盲点になりがちな点についても実例に沿った説明があり、参考になった。
コミュニケーションの重要さ、安全文化向上ツールとしての有効性が理解できた。
コミュニケーションの大切さ、叱り方について勉強になった。

などのご意見・ご感想をいただきました。

以上