平成28年2月10日、宮城県牡鹿郡女川町にある東北電力(株)女川原子力発電所において、第157回安全キャラバンを開催し、安全講演会と安全情報交換会を行いました。
東北電力(株)および協力会社から62名の方が出席されました。
講演会の冒頭、JANSIプラント運営支援部長の本田より、「今回は、コミュニケーションというテーマにさせていただきました。原子力安全に関しては、自分の思っていることや安全上の注意事項を、躊躇することなく相手にきちんと伝えることが大事であると思います。今回の安全キャラバンが、女川原子力発電所の「コミュニケーションNo.1」という活動のお役にたてれば幸いです。」との挨拶がありました。
続いて、東北電力(株)女川原子力発電所長 八重樫 武良様より、「今回の安全キャラバンをひとつの機会として、コミュニケーションだけでなく、安全文化、安全運転、安全な保修のすべてでNo.1になれるように、JANSIに支援いただきたいと思います。本日のテーマであるコミュニケーションは、特定のテーマではありますが、全ての業務に関わるものです。
「コミュニケーションNo.1」という活動のひとつとして本日ご講演いただきますので、所員、構内協力会社員のみなさんはしっかりと聞いて、今日からのコミュニケーション活動に役立てていただきたいと思います。」とのご挨拶をいただきました。
ご挨拶の後、(株)ジェック 小林 英人様より「円滑なコミュニケーションで安全文化の向上を図る ~言いたいことが言える職場~」 と題してグループワークを交えたご講演をいただきました。
◆コミュニケーションを確実にするためには、スリー・ウェイ・コミュニケーションのルール化、情報の見える化、イメージ等を使用した分かりやすい伝達、頻繁な情報交換が必要になります。ただし、そういった点を十分に理解したとしても、その内容通りに具体的な行動を変えるには、ダブル・ループ学習により、自分の行動を実際に支配する固定観念、価値観を変える必要があります。
◆コミュニケーションは非常に難しく、「伝える意欲とスキルが高い人」が「聴く意欲とスキルが高い人」に情報を伝えたとしても、6~7割くらいしか伝わりません。コミュニケーションスキルは後天的な能力であり、トレーニングによって磨かれるものですので、コミュニケーションの難しさを意識したうえで、自発的にスキルアップする必要があります。
◆安全文化の向上ということを考えたときに、情報の伝達という観点だけでなく、物の言いやすい職場づくりという観点でもコミュニケーションを捉える必要があります。物が言いやすいという観点から見たとき、ベースとなるのは報連相です。報連相は、情報共有に役立つだけではなく、職場での人間関係、信頼関係を築くことに繋がります。報連相が十分になされないと、職場に疑心暗鬼が渦巻いて、そこから人間関係が崩れていきます。
◆コミュニケーションは難しく、100%はあり得ません。しかし、色々な工夫をして、できるだけギャップを埋めていくことが非常に重要です。また、情報共有という観点だけではなくて、コミュニケーションを通して個々のメンバーの心を掴み、一対一、かつ組織の信頼関係を良好に保つことで、物が言い合える風土になり、安全文化の向上につながっていきます。
◆安全文化向上のベースとして、コミュニケーションの円滑化を図っていただきたい。
とのご講演をいただきました。
●「ダブル・ループ学習」は興味深く、今後のコミュニケーションの実践に役立つと思います。
●コミュニケーションの重要性、相手の態度、表情、言葉使いで印象が左右される等、とても身近にあることについて理解を深めることができました。
●コミュニケーション手法などについて勉強になりました。自分の職場で活用していきたいと思います。(協力会社)
●コミュニケーションの取り方や、むずかしさについて理解できてよかった。(協力会社)
などのご意見・ご感想をいただきました。
午後に開催しました安全情報交換会では、午前に行いました講演を基に「円滑なコミュニケーションで安全文化の向上を図る ~言いたいことが言える職場~」をテーマとして、一般職と管理職の2部制で意見交換を行いました。参加者は、女川原子力発電所の一般職の方7名、管理職の方6名と、講師の小林様およびJANSI 5名により、それぞれ活発な意見交換となりました。
以上