活動実績等

運転責任者運営委員会 第36回議事概要

    
日時 令和7年4月16日(水) 13時30分 ~ 16時00分
場所 原子力安全推進協会13階 B会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 北村正晴(テムス研究所),杉本 純(東京科学大学),月川哲雄(グローバルテクノ),大塚康介(電気事業連合会),知久仁史(BTC),糀谷和久(NTC),
豊住健司(JANSI)
事務局 原安進 加藤 功,平岡勇一郎,坂元祐二,遠藤英由,高 恭彦,伊藤俊彦,土田哲夫,
宝玉章,神 孝喜

議題

     
  1. 前回議事録の確認
  2. 令和6年度 運転責任者筆記/口答試験の結果について
  3. 令和6度 シミュレータ訓練機関審査結果について(定期審査)
  4. 令和7年度 運転責任者判定計画及びシミュレータ訓練機関審査計画について
  5. 筆記/口答試験委員,講習講師及び試験問題委員の委嘱状況について
  6. GX脱炭素電源法※施行等による原子力発電所運転責任者筆記試験問題の出題範囲について
     ※脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律
  7. その他 
    ・2024年度 運責管理グループによる発電所支援活動状況について

議事

  1. 定足数の確認
     会議定足数を満足し,運営委員会が成立することを確認した。

  2. 前回議事録の確認
     前回議事録が了承された。

  3. 令和6年度 運転責任者筆記/口答試験の結果について
     事務局より説明し,内容について確認された。主な質疑は以下のとおり。

    • 委)前回令和5年度は合格率が低く,試験結果を事業者へフィードバックしたと説明を受けたが,令和6年度も合格率の低下が継続している。事業者へのフィードバックの仕方に改善が必要ではないか。
    • 事)令和6年度の試験結果について,CNO会議,協働責任者会議にて,事業者へフィードバックし,受験者の環境整備,受験者の適正確認,運転責任者としての力量の向上と資質の醸成に努めていただく様,対応を依頼した。
    • 委)現場の責任者である発電所長へ情報共有はしているのか。
    • 事)発電所長へ直接的な情報共有は実施していないが,各事業者の発電部門ラインを通じて伝わっていると認識している。発電所訪問による合格証保有者と学識経験者とのコミュニケーション活動等において,発電所長へ情報が伝わっていることを確認している。
    • 委)事業者がフィードバック結果を踏まえ,どのような対応をとったのか確認していくことも必要ではないか。
    • 事)JANSIとしては,各階層と情報共有し,対応について確認すると共に,今後も状況に応じて事業者へのフィードバックの仕方を工夫していきたい。
    • 委)事業者とJANSIとの間で良いフィードバック関係が成立することを期待する。原子力発電所の安全性に問題が生じることがない様,しっかりと対応してほしい。

    • 委)サイト別の運転実技試験,筆記/口答試験の平均点で大きなバラツキが見られるが,サイトによる差はあるのか。
    • 事)基準点以上の範囲をグラフにしているため,バラツキがあるように見えるが,全てのサイトが基準点を十分満足しており,サイトにより有意な差はないと考えている。

    • 委)講習で不合格となるケースはあるのか。
    • 事)極まれに更新者が不合格となったケースはあるが,これまでに新規受験者が講習で不合格となったことはない。

    • 委)説明された資料では,運転責任者判定業務の試験に係る小さなループのPDCAの評価はできているが,顧客満足度(製品に対する満足度)にあたる,合格(不合格)した運転責任者(受験者)に対する評価の部分が不足している。これを確認することで運責判定業務という大きなループのPDCAが完結することになる。
    • 事)合格者,不合格者の合否判定に対する顧客満足度は,次の通り確認している。合否判定におけるサーベランスとして,サイトコミュニケーションを通して,判定した運転責任者の業務状況を確認している。具体的には,意見交換を発電所幹部(発電所長含む),運転責任者保有者と区分して実施している。不合格者については,事業者がJANSIに対して毎年実施している判定機関審査,JANSIが事業者に対して実施している運責判定計画の説明会において,苦情・クレームがないことでも確認・検証されていると判断している。

  4. 令和6年度シミュレータ訓練機関審査結果について(定期審査)
     事務局より説明し,内容について確認された。

  5. 令和6年度 運転責任者判定計画及びシミュレータ訓練機関審査計画について
     事務局より説明し,内容について確認された。

    • 委)NTCの「再訓練における新たな取組み」について,どのような方法で教える側の技量を向上させる体制を構築していくのか。
    • 事)プラント運転経験が豊富なインストラクタの知識を体系的に整理した訓練内容を整備し,運用していくことにより,インストラクタの知識・技能を向上させていくものである。
    • 委)ノウハウを持ったインストラクタの知識を訓練シナリオに文章として残し,技術伝承していく。また,その訓練シナリオのレビュー会議及びそのシナリオを使用した訓練を通じてインストラクタの技量を向上させ,質の高い訓練を提供する取組みを行っている。
    • 委)BTCではベテランと若手インストラクタがペアで訓練を実施することにより,技術伝承していく運用としている。また,NTCの取組みを参考に更なる技量向上に向けた検討をしている。
    • 委)BTCの「BWR標準KSAカタログ整備・運用及び共通力量確認システムの構築」とはどのようなものか。
    • 事)BWR標準KSAカタログを整備し,全てのBWR電力で運用することにより,共通の物差しでBWR運転員の力量管理が可能となり,プラント再起動に向けた電力間の実習を有意義なものとしていくものである。

  6. 筆記/口答試験委員,講習講師及び試験問題委員の委嘱状況について
     事務局より説明し,内容について確認された。

  7. GX脱炭素電源法施行等による原子力発電所運転責任者筆記試験問題の出題範囲について
     事務局より,GX脱炭素電源法施行及び原子炉立地審査指針に係る運転責任者 筆記試験問題の出題範囲について,第34回運転責任者試験問題委員会(R7年4月8日開催)の審議結果を説明し,内容について確認された。

    • 委)GX脱炭素電源法による原子炉の運転期間の延長は,業界として大きな改正であり,筆記試験の出題範囲として扱う必要があるのではないか。
    • 事)原子炉の運転期間については,トピックスとしては重要であるが,筆記試験として確認する運転責任者に求められる知識の範囲として,従来から含めていない。しかし,原子炉の運転期間等,筆記試験の範囲に関わらず重要なトピックスについては,運転責任者講習(関係法令及び保安規定に関する知識)において,講習を実施することで対応している。今後も,関係法令の改正内容等,重要なトピックスについては,運転責任者講習で伝えていきたい。

  8. その他
     事務局より,以下の活動について説明し,内容について確認された。
     ・実機体感研修
     ・運転責任者合格証保有者と学識経験者との情報交換会
     ・原子力発電所中堅クラス情報交換会
     ・女性運転員(技術系女性社員)意見交換会
     ・若年層運転員意見交換会(トライアル)
     ・廃止措置プラント意見交換会
     ・原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)の改定について
     ・原標準KSAカタログ整備・運用(BWR共通理解度確認システム)について

以上