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運転責任者運営委員会 第35回議事概要

    
日時 令和6年4月11日(木) 13時30分 ~ 15時50分
場所 原子力安全推進協会13階 第1会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 北村正晴(テムス研究所),杉本 純(元京都大学教授),月川哲雄(グローバルテクノ), 長谷川 真(BTC),糀谷和久(NTC),豊住健司(JANSI),
角 剛彰(電事連:中熊委員代理)
事務局 原安進 平岡勇一郎,坂元祐二,遠藤英由,高 恭彦,伊藤俊彦,宝玉 章,神 孝喜

議題

     
  1. 前回議事録の確認
  2. 令和5年度 運転責任者筆記/口答試験の結果について
  3. 令和5年度 シミュレータ訓練機関審査結果について(定期審査)
  4. 令和6年度 運転責任者判定計画及びシミュレータ訓練機関審査計画について
  5. 筆記/口答試験委員,講習講師及び試験問題委員の委嘱状況について
  6. 原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)の改定及び運責要領の改訂について
  7. その他 
    ・令和5年度 運転責任者合格証保有者と学識経験者とのコミュニケーション活動等について
    ・運転員実機体感研修について

議事

  1. 定足数の確認
     会議定足数を満足し,運営委員会が成立することを確認した。

  2. 前回議事録の確認
     前回議事録が了承された。また,不適合について事象に応じて不適合または改善事項にグレード分けする考え方については,導入を見送っていることを説明した。

  3. 令和5年度 運転責任者筆記/口答試験の結果について
    事務局より説明し,内容について確認された。主な質疑は以下のとおり。

    • 委)令和5年度の合格率は例年と比べて低くなっているが問題はないか。
    • 事)昨年度は数名の受験者が2度受験して不合格となる等,個体の影響が大きかったと判断している。試験各回の結果および傾向,試験委員/講習講師のご意見は試験の都度,事業者へフィードバックしている。
    • 委)平均点は合格基準を満足しており,年度毎のバラツキの中で推移していると判断するが,低下の傾向を示していることから,今後の状況を継続して注視のこと。
    • 事)了解した。

    • 委)口答試験の裁量点は炉型によって若干の差がみられるが,対応は必要ないか。
    • 事)採点にあたっては,試験委員の十分な意見交換,合議ができており,炉型による有意な差はないと判断している。
    • 委)了解した。

    • 委)実技試験の年度平均点について,BWRとPWRで同様な推移となっているが,要因はなにか。
    • 事)BWRとPWR共に,実技試験方法の変更はしておらず,共通要因があるか特定は難しい。
    • 委)世代による集団特性が表れているのかもしれない。今後の傾向を注視していただきたい。
    • 事)了解した。

    • 委)再稼働したプラントと再稼働していないプラントの受験者で成績に差はみられるのか。
    • 事)再稼働の有無で成績に有意な差はみられない。
    • 委)了解した。

    • 委)口答試験では運転責任者として,自身が何を重視するのか,主体的な回答を求める出題の意図は理解できるが,「あなたにとって」という問い方は漠然としていて,質問の意図が伝わりにくい。「あなたが重視することは」等,問題によっては言葉の使い方には工夫が必要。
    • 事)問題によって質問の意図が受験者に伝わる様,工夫していきたい。
    • 委)受験者は自分達の活動の目的を押さえた論理的な回答ができているのか。
    • 事)中には論理的な回答ができず,暗記した回答を導こうとするケースが見られる。
    • 委)口答試験は統督の問題であり,運転責任者としての考え方を問うことが主であることから,暗記した回答は必要ない。仮に問題が難しくても試験委員とコミュニケーションをとって,困難を克服して回答して欲しい。
    • 事)事業者には,自分の言葉でしっかりと,当直長の立場でシステマチックに回答するよう伝えている。
    • 委)繰り返し伝えていくことで,改善につながることを期待する。
    • 事)了解した。

  4. 令和5年度シミュレータ訓練機関審査結果について(定期審査)
     事務局より説明し,内容について確認された。

    • 委)再稼働プラントではSA訓練の増加により,シミュレータ訓練時間の確保が困難になっている状況を踏まえ,DBE強化を目的としたNTCオリジナル訓練を計画していることは良い取り組みである。JANSIとしても各社の訓練状況を踏まえた改善活動に取り組んでほしい。
    • 事)JANSIとしても電力全体の問題と捉え,各社の状況を集約し,パイロット的に川内発電所が訓練の改善に取り組んでおり,まだまだ答えが出ていない状況ではあるが,モデルケースとして全社に展開できないか注視しているところ。
    • 委)了解した。知恵を出し合って改善に取り組んでほしい。

  5. 令和6年度 運転責任者判定計画及びシミュレータ訓練機関審査計画について
     事務局より説明し,内容について確認された。

  6. 筆記/口答試験委員,講習講師及び試験問題委員の委嘱状況について
     事務局より説明し,内容について確認された。

  7. 原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)の改定及び運責要領の改訂について
     事務局より,原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)の改訂に伴う,原子力発電所運転責任者に係る合否判定等業務に関する要領の改訂について報告した。

  8. その他
     事務局より,以下の活動について説明し,内容について確認された。
     ・令和5年度 運転責任者合格証保有者と学識経験者とのコミュニケーション活動
     ・令和5年度 原子力発電所中堅クラス情報交換会
     ・廃止措置プラント意見交換会(トライアル)
     ・令和5年度 女性運転員(技術系女性社員)意見交換会

    • 委)運転員は比較的クローズした職場でプレッシャーも大きい,モチベーションの向上および広い視野を持ってもらうためにも,交流の場を提供していくことは良いこと。
    • 事)様々な形で交流の場を提供し,モチベーションの向上につなげていきたい。

     ・運転員実機体感研修について

    • 委)再稼働していないプラントの運転員にとっては,運転プラントでの研修は非常に貴重な経験となる。今後も継続して取り組んでほしい。
    • 事)参加者は意欲的に取り組んでおり,再稼働に向けモチベーションが上がったとの意見が多く,効果は大きいと感じている。今年度も継続して実施する予定。
     
    【総括的ご意見】
    • 委)説明された資料では,昨年度の運転責任者判定に関するJANSIの活動についてまとまってはいるが,活動の目的に対する結果評価の部分が不足している。ISOの観点から評価結果のまとめを資料に追加すると良い。
    • 事)了解した。次回から反映することとしたい。

以上