活動実績等

運転責任者諮問委員会 第17回議事要旨

日時 令和5年3月15日(水) 11時00分~17時00分
場所 原子力安全推進協会 B会議室及びオンライン会議

出席者(敬称略 順不同)

委員 木村委員長(オンライン参加),森本委員,市瀨委員,五十嵐委員
原安進 平岡人材育成部長
事務局 坂元GL,土田,神,伊藤

議題

  1. 会議定足数の確認,議事次第と配布資料の確認
  2. 平岡部長挨拶
  3. 前回議事録の確認
  4. 令和3年度~4年度運転責任者判定業務実施状況について
    • 令和4年度第4回までの判定結果に基づく電力周知内容について
    • 不適合処置について
  5. その他 (運転管理関係活動報告について)
    • 運転責任者情報交換会
    • 中堅層運転員の情報交換会
    • サイト別コミュニケーション
    • 実機体感研修再開について
    • 女性運転員意見交換会(トライアルについて)
  6. Annual Conference2023 傍聴

議事

  1. 会議定足数の確認、議事次第と配布資料の確認
    事務局より、委員全員が出席しており会議定足数を満たしているため、委員会が成立していることを報告した。その後、配布資料を確認した。

  2. 平岡人材育成部長挨拶(要旨)

     本日はお忙しい中、諮問委員会にご出席頂きありがとうございます。 今回は4年ぶりの対面開催となりました。前回開催した21年12月以降の運責判定業務の実施状況及び運転員の支援についてご報告させて頂きます。
     運責試験は連続で 11 回,オンラインで実施し,先月の第4回試験については筆記・口答試験は対面で,講習はオンラインで実施しました。品質も従来同様に維持しながら実施できております。また,NRA の今年度のチーム検査においてもコメントなく終わっております。
     他方,昨年末の国の GX 実行会議を受けて国の原子力政策が大きく転換し,発電所においては2030年度の原子力比率 20%~22%実現に向け,安全最優先として再稼働を進めていくこととしております。その中でJANSI としては,長期停止中のBWRプラントの再稼働に向けた支援を来年度の重点活動としており,運責管理グループにおいては既にBWRプラント運転員を再稼働したPWR プラントに派遣し体感研修を行う支援を4年ぶりに再開しております。また,去年11月にJANSIが10周年を迎え,本日の Annual Conference でこれまでの活動を振り返り今後の展望について議論する予定ですので是非ともご視聴願います。

     今回,運責判定の運営状況や運転員の支援活動についてご報告したいと思っておりますので,外部の専門的視点から公平性・透明性が確保されていることをご確認頂き,改善点やアドバイス等があればご助言、ご意見いただければと思っております。それではご審議、よろしくお願いいたします。

    (以降,委員長の指示により事務局にて議事進行を実施)

  3. 前回の議事録確認

    資料17-1「第16回運転責任者諮問委員会議事録」について、確認いただいた。


  4. 令和3年度~4年度運転責任者判定業務実施状況について

    事務局より、資料17-2「令和4年度運転責任者判定業務実施状況」について報告し、判定業務について「独立性、公平性並びに公正性」が担保されている旨の判断をいただいた。
    なお、トピックとしては以下の通り。

    • 令和3年度の不合格者は5名であったが,令和4年度は2名となっている。令和3年度の合格率が約86.8%と過去に比べ低い状況であったが,令和4年度の合格率が約95%に復帰している。令和3年度は毎回の試験で不合格者が出ていたこともあり,事業者に対して口答試験を受けるための注意事項について伝えた。事業者も真摯に受け止め口答試験のリハーサルの実施等,受験者の試験環境を整えて頂いたことで不合格者が減ったものと推定している旨説明した。

    • 令和4年度第4回試験では筆記・口答試験を3年ぶりに対面で行ったことについて,口答試験委員の意見として,受験者の緊張感や表情が伝わり受験者とのコミュニケーションが取りやすかったとの意見があったこと,また,受験者からも他社の受験者同士でコミュニケーションを図ることができた等の意見があった旨を説明した。
    • オンライン開催を含めた判定業務に対する苦情、異議申し立てはないことを説明した。

    【主な意見】
    • 不合格者は新規の受験者か。それとも更新者か。不合格者は再受験するのか。
      ⇒不合格者は全て新規受験者である。実技試験合格の有効期限以内に再受験している。
    • 不合格者の出身プラントや年齢に傾向はあるのか。
      ⇒傾向はない。ただ,職場ではよく頑張っていて優秀な方だと聞くケースが多い。試験となると十分に力が発揮できない面もあるが,いざという時の判断が迫られる運転責任者としては不足を感じる旨を事業者に伝えている。
    • 新規受験者の平均年齢はどのくらいか。
      ⇒ 40代後半である。管理監督的立場の方が受験することになるので,40代前半の方もいる。
    • 社会が求めているのは試験のための勉強ではなく,安全を守るために実際に何ができるかを考える事が重要である。そのつもりで勉強してほしい。暗記だけでは駄目で,何故そうなるのかを常に考え,自分の言葉で述べてほしい。
      ⇒その通りである。暗記だけに頼ると内容に深みがなく,表面的な回答に留まってしまう者もいる。筆記・口答試験委員からも同様な意見を頂いているので,そうならないよう事業者には伝えている。

  5. 不適合処置について

    事務局より、資料17-3-1「不適合報告書」,17-3-2「今後の進め方」について報告し、令和4年度第3回試験にて発生した不適合処置及び今後の進め方について説明し,ご理解を頂いた。主な意見は以下のとおり。

    【主な意見】
    • 不適合と判断し対応することに異論はない。ただ,今後の進め方として,不具合が発生した際,判定結果への影響の有無で不適合とするかどうかをグレード分けすることはどうかと思う。
    • 今回の不適合の内容は受験者にも説明し理解を得たと思うが,ISOに適合した不適合処理を行い,常に受験者に不利にならないよう対応して頂きたい。
      ⇒判定業務に直接的に関与しない案件まで不適合扱いとするには少し戸惑いがあることからグレード分けに至った。実際には不適合扱いでない場合でも改善活動を行うことになるので,これまでと変わりなく対応することになる。また情報公開においてもこれまで同様,受験者サイドに立って,正確かつ迅速に行うこととしている。

  6. その他(運転管理関係活動報告について)
    • 実機体感研修
      令和5年1月24日~27日,中部電力浜岡発電所運転員が九州電力川内発電所において,運転中プラントにおける操作や現場を実際に見ることで緊張感を体感するとともに,研修先での良好事例を見出し,プラント再稼働に向け改善活動を行うことを目的に研修を実施したことについて説明した。
      ⇒現場を見ることは良いことである。是非ともこういった活動を継続して頂きたい。
    • 女性運転員意見交換会(トライアル)
      令和5年2月20日,原子力安全推進協会にて全国の原子力発電所,日本原燃再処理施設で働く女性技術系社員による意見交換会をトライルで開催。ファシリテータとして大阪大学 八木教授にご協力いただき,オンライン参加者含め30名が参加。また,東京電力の女性社員の方に講演頂き,電力間交流を実施。参加者からは有意義な意見交換であったことやこれまで女性社員が大規模に集まるような会議体はなく,今回作ったネットワークを絶やすことなく継続して活動に取り組みたいとの意見が多数あった旨説明した。
      ⇒高い意識も持った方が参加された印象である。意見交換会は非常に良い取り組みであると思う。他方,職場としては是非とも女性が安心して働ける職場を構築して頂きたい。
    • 令和4年度運転責任者合格保有者と学識経験者との情報交換会
      7月7日オンラインで開催 運責資格保有者、学識経験者、訓練機関指導員など46名が参加
    • 令和4年度原子力発電所中堅クラス運転員情報交換会
      10月14日オンラインで開催 中堅クラス運転員、学識経験者など48名が参加
    • 発電所における運転責任者合格保有者と学識経験者とのコミュニケーションの実施
      第24回(令和3年10月21日オンラインで開催) 東海第二発電所 9名が参加
      第25回(令和4年 2月14日オンラインで開催) 浜岡発電所   10名が参加
      第26回(令和4年 3月22日オンラインで開催) 柏崎刈羽発電所 10名が参加
      第27回(令和4年10月26日オンラインで開催) 東通発電所   9名が参加
      第28回(令和5年 3月 3日オンラインで開催)  志賀発電所   10名が参加
      ⇒特に意見なし。

以上