10年戦略主要アクション、技術基盤活動

ピアレビューの実施

ピア(peer)は「同僚」、「同業者」の意味であり、原子力業界において、豊富な業務経験を持つ専門家をさします。

ピアレビューとは、専門家が発電所やメーカーなどを訪問し、その専門的立場から事業所の安全性(原子力安全、放射線安全、労働安全等)と信頼性の確保に係わるパフォーマンスをレビュー(評価)する事により、事業所の安全性と信頼性を向上させることを目指すものです。

 

■ ピアレビューの進め方

レビュー前に事業所からの事前情報をいただき、レビューする項目(フォーカスエリア)を絞り込みます。 レビュー期間中には、絞り込んだフォーカスエリアに対応して、事業所のパフォーマンスの観察、事業所員との面談(インタビュー)、議論を通して、事業所側が進めている活動を原子力安全の向上の観点から評価します。

■ ピアレビューにおける評価

ピアレビューによる評価とは、事業所のパフォーマンスの観察を通して、他の事業所にとっても有用な「良好事例(Strength:STR)」の抽出と事業所の安全性と信頼性の向上を図るために必要な「要改善事項(Area for Improvement:AFI)」の特定を行うことです。

「良好事例(Strength:STR)」とは、ピアレビューを受ける組織が示す高いレベルのパフォーマンスあるいは、高い品質の結果を得ている活動やプロセスを言います。「良好事例  (Strength:STR)」は原子力産業界が共有し見習うべきパフォーマンス、あるいは原子力産業界の最優良の状態(エクセレンス)を達成するための実質的なパフォーマンス改善活動も含まれます。

「要改善事項(Area for Improvement:AFI)」とは、エクセレンスと事業所のパフォーマンスとのギャップであり、事業所のパフォーマンスに顕著な影響を与えている、あるいはその可能性があるような事業所員の行動・振る舞い、プロセス、あるいは業務上の欠陥です。事業所の気付いていない「弱み」を見つけることや事業所の気付いている「弱み」に対する新たな改善の視点を提供することに繋がるものです。