活動実績等

第31回体験型安全文化管理者セミナーを開催

平成30年11月21日(水)、11月22日(木)に、JR東日本総合研修センター(福島県白河市)において、第31回体験型安全文化管理者セミナーを開催し、29名の参加がありました。

◆安全講義①「JR東日本の安全への取り組み」

安全に対する基本的な考え方、鉄道の特性を踏まえた安全確保についてJR東日本における社員教育、取組みについて学びました。「安全とは、元々あるものではく身の回りには常に危険が存在している。私達は危険な状態にならないよう一所懸命に努力し作りだしていくことにより達成できるもの」という考え方や、人間の特性を踏まえた「自分だけは大丈夫という過信の壁を低くする努力」、「忘却曲線を考えた繰り返し覚える努力」など、原子力安全文化の向上にも役立つヒントが多数ありました。

◆安全講義②「ヒューマンエラー:エラーのパターンを学ぶ」

人間の行動は自分のやる気・意識水準・職場環境などに大きく左右され危険感受性が鈍った時には事故が発生しやすく具体例を交えて紹介してもらいました。人間の特性上、ヒューマンエラーを完全に防ぐことは不可能であるが、新人(初心者)・熟練者(ベテラン)・現場第一線・管理者が陥り易いエラーのパターンを自覚していることで、何かが起きそうな時や起きてしまった時に、これらのエラーパターンからエラーを回避することに役立てることを学びました。

◆運転シミュレータ訓練(体験)

電車の運転士が実際に訓練で使用している在来線用の運転シミュレータを用いて、運転士が行っている運転訓練の一部を体験しました。時速100kmで走る電車のブレーキ(制動)距離は約500mと長く、「電車は急に停まれない」ことを念頭におき、シミュレータからの指示に基づき発声し電車を発進させ次の駅ホームまでの運転操作を行いました。駅ホームの指定位置に停めることの難しさを実感することができました。

◆安全講義③「過去の事故に学ぶ」

JR東日本では、安全教育のため過去の事故から学ぶことを重要視した取組みを続けている。事故の凄惨さや社会的な影響の大きさなどを感じ、過去の代表的な事故事例を「起こり得ないと思わず、起こってしまったら自分はどうするか」、「起こらないために自分はどうするか」と捉えることを学びとしていました。原子力安全の考え方にも共通するものであり、原子力安全文化の向上に役立つ学びができました。

◆基本動作訓練(体験)

5つの基本動作(集合、敬礼、人数確認、方向転換、安全確認)に係る発声、機敏で正確な動きなど集団行動の基本となる動作訓練を「全力で」、「真剣に」体験しました。

◆列車防護訓練(体験)

実習用の線路において、対抗列車を急停止させるため信号炎管(発炎筒)を用いた列車防護訓練を行いました。講師から「乗客や同僚の人命のためにも、確実に列車を止めるよう大きな声で、大きな動作で信号炎管(発炎筒)を振ってほしい」との心構えをうけ、安全確認、信号炎管(発炎筒)を用いて緊張感をもって体験しました。

◆グループワーク(セミナーの振り返り)

「今回のセミナーを通して参考になったこと、学んだことを職場でどの様に活かすのか」について、グループワークを行いました。ワークでは討議内容をまとめて発表・質疑応答を行い、更に情報共有が図られ理解を深めることができました。

<アンケート>

セミナー後のアンケートでは、次のようなご意見・ご感想をいただきました。

JR東日本による「安全」とは「人の尊さ」であり、それに対する取組む姿勢は我々も見習うべきものがあると感じた。また、風化させない他山の石、常に考える等、業種は違うが行うべき行動は同じである事を改めて認識できた。

何故、安全について教育するのかといった原点をしっかり教えていただき満足しています。頭では分かっていても、訓練を「真剣に」、「全力で」といったところは当社に戻ってからも反映していきたいと感じました。

今回の研修に参加して非常に良かった。基本動作、列車防護訓練は私の部下にも是非体験させ、本気で取組み繰返すことの重要性を認識させたい。


以上



(協力:株式会社JR東日本パーソネルサービス)