活動実績等

株式会社ジェー・シー・オー 東海事業所にて
第192回安全キャラバンを実施

2024(令和6)年2月13日、株式会社ジェー・シー・オー 東海事業所において、第192回安全キャラバン(安全講演会)をおこないました。

1.安全講演会

 この講演会には、東海事業所から39名の方が出席され、終始熱心に聴講されました。


 講演に先立ち、株式会社ジェー・シー・オー代表取締役社長 宮内宏和様より、「臨界事故から約24年半経過し、これまで様々な事故処理業務や施設の維持管理、放射性廃棄物の保管管理等に注力してきた。現在は、これらの業務に一定の目途が付いてきたことから、これからは低レベル放射性廃棄物の保管管理のみが主要業務になるように、管理区域の最小化に向けた旧加工使用施設の非管理区域化と、ウランの回収・再資源化が可能なウラン含有物の海外処理委託を進めている。弊社は、臨界事故により大変なご迷惑をおかけし、全ての信頼を失った。このため、これらの業務を進める上でも地域住民の皆さまをはじめ、関係者の皆さまのご理解を得ることに気をつけながら進めている。一方、社員の立場からすると、こうした環境下で利益の目標がなくやりがいを見出しにくいこと、発災者としての目に見えない心の重荷、外部から刺激を受けにくいといった状況にあることなどから、個人や組織としてのモチベーションを高めることに思い悩む方が多いのではないかと思う。今回の安全キャラバンを通して、より良い話し合いを行うことによって、個人や組織としての活性化に繋がればと期待している。」とのご挨拶を頂きました。


 引き続き、原子力安全推進協会 安全基盤部 安全文化Gr グループリーダー 深野琢也より、『話し合う力を高める』と題して講演が行われました。講演では、安全を向上するためには、「話し合う力」を育むことが重要な要素の1つであることから、JANSI の安全文化に関連する活動で得られた情報や国内外の事例等より、「話し合う力を高める」必要性や、話し合いがうまくいかない理由、どうすれば話し合う力が高まるのかなどについて、理解を深めて頂けるよう話が進められました。


 講演の骨子は以下の通りです。

  • いま、一般企業の間で、話し合いがうまくいかない、ということ声が多く寄せられている。これは、良い話し合いを行うことを阻害する組織の特性、特に同質性や閉鎖性が高くなると組織内の同調圧力が強くなることで発言を躊躇ってしまうことや、話し合いについてきちんと学ぶ機会が少ない、などの理由が上げられる。
  • 話し合いをうまく行うことによって、様々な考えや多様な人たちの意見を受け入れると、今までの仕事のやり方の良し悪しや問題点などが明確になり、より改善の契機を得られ、しなやかで早く動ける(適応し対処)ような、自律した組織を目指せるのではないか。
  • 「話し合い」とは、ここでは、人々がともに生きる他者と対話を行いながら、自分たちの未来を自分たちで決めていくコミュニケーション(=「対話」+「議論・決断」)のこととする。
  • 良い対話とは、「ケリのついていないテーマ」のもとで、人々がフラットに向き合って話し合うことであり、その中で「お互いの意見や考え」のズレを表出し、ときに「自己理解や他者理解」が進み、共通の理解を作り上げることができる機会を提供できるコミュニケーションと言えるだろう。
  • 対話の後に議論と決断のフェーズに移行する。決断は「メンバーで話し合いメンバーが決める覚悟」が基本であり、そして、決断する目安は「意見が出尽くした瞬間」である。また、重要な案件は体系的な決定プロセスの設定と、その継続的改善が必要であり、決断後もフォローすることが大事である。
  • 組織のリーダーは、話し合いを行う際に大きな影響力を及ぼすことがあるので、自らの振舞いが望ましい状態なのかを振り返り、必要に応じて行動を変容することが望まれる。


講演会終了後のアンケートでは、
●効率や利益を優先する企業や組織という制約の中で、いかに深く考え、より充実した人生の一部としての仕事に創造的に適応していけるのか、という私自身の昔からの問題を改めて思い起こさせていただいた。
●自分の会社をよりよくするためのヒントが詰まっており、大変勉強になった。
●対話についての理解が深まった。異なる意見を聞いて、それを楽しむ余裕が必要と感じられた。

などのご意見・ご感想をいただきました。


[宮内社長ご挨拶] [講師 深野グループリーダー]
   [ 宮内社長ご挨拶 ]            [ 講師 深野グループリーダー ]

以上