活動実績等

日立造船(株)有明工場にて第173回安全キャラバンを実施

平成30年9月26日、熊本県玉名郡長洲町の日立造船(株)有明工場において、第173回安全キャラバンを実施し、安全講演会とグループワークを行いました。

1.安全講演会

日立造船(株)有明工場の社員、TV会議で参加の大阪地区、東京地区の計48名が出席され、終始熱心に聴講されました。

講演会の冒頭、日立造船(株) 機械事業本部 有明工場長 中村 敦 様から、「本日はお忙しい中、有明工場にて安全キャラバンを実施していただき誠にありがとうございます。有明工場では、原子力機器でいうとキャスク・キャニスターをはじめ、石油・石油化学・医療等各種プラントのリアクターをはじめとする圧力容器、熱交換器並びに船舶用ディーゼルエンジンの生産を行っております。生産現場におきましては、『安全は全てに優先 やるぞゼロ災 つくろう快適職場』という安全モットーを掲げ、日々安全活動を展開しております。しかしながら、ちょっとした気の緩みや安全ルール違反による災害が発生しており、なかなかゼロ災とはなりません。これはものづくりを行う以上、永遠の課題だと思っております。

本日は、午前の部で、組織安全研究所 所長 大久保 様より『組織診断インタビューに見られる安全文化の現状と課題』と題して、安全とヒューマンエラーの誘発要因を中心に講演をしていただきます。非常に有意義なテーマだと思っておりますので、どうか宜しくお願い致します。また、午後の部では、JANSI様より、グループワークを実施していただきます。こちらもあわせて宜しくお願い致します。本日は丸一日の長丁場となりますけれども、この安全キャラバンが我々にとって有意義なものとなり、参加する方々、幹部の安全意識の向上につながるものと確信しておりますので、是非宜しくお願い致します。」
とのご挨拶をいただきました。

講演会では、組織安全研究所 所長 大久保 元 様から「組織診断インタビューにみられる安全文化の現状と課題 〜 ヒューマンエラーの誘発要因を中心に 〜」と題してご講演いただきました。

講演では、

◆企業や事業所における安全管理や組織運営の状態を健全な水準で維持するためには、一人ひとりが日々どのような思いで業務に従事しているか、正確に理解する必要がある。このような要求に応えるために、インタビューを通じた組織診断を行い、現場の実態を認識し、改善へつなげる手法を紹介する。
◆原子力業界ではJANSIの安全文化アセスメントが代表的な取組みであるが、石油化学の業界では、第三者組織としての保安力向上センターがグループインタビューを基本とした組織診断インタビューによる安全文化評価を展開している。ここでは、コンサルタントや研究者、企業OBが中心となってインタビューチームを構成し、対象となる組織に対しては職位の勾配がないようにグループ分けに配慮し、率直な意見が引き出せるような工夫をしている。
◆これまで実施した組織診断インタビューの中で、共通的に出てくる組織の問題として、まず表面的にあらわれてくるのが「基本行動に従わない」「手順書を使わない」「安易に禁止する」「リスク低減のPDCAが回らない」「現場に出ない」「作業負荷が高い」「操業が安定しない」といった問題である。さらにその背景には「人が育たない」「人事戦略がない」「自分たちで決められない」「当事者意識が薄い」「全体が見えない」といった組織的な問題が存在する。
◆これらの問題の改善に向けた基本的な考え方として「行動の意味を理解する」「人に合わせて仕事を組み立てる」「操業に集中できる環境をつくる」「目標を高く据える」という4点を、共通指針として提示したい。これまでは設備の予防保全の部分に力を入れてこられたと思うが、これからは管理面まで踏み込んで、組織の予防保全を実施していくことが非常に重要なのではないかと感じている。
との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

管理者向けの内容だと感じたが、管理できる範囲の改善に役に立つ内容だった。
講演会で紹介頂いている事例が当社も当てはまるということが多く、業務を見直すことが必要ではないかと考える良い機会となりました。
管理職のあるべき姿、および職場のあるべき姿について考えさせられて、とても良い講演だった。

などのご意見・ご感想をいただきました。


2.グループワーク

テーマを『ヒューマンエラーの防止について』として、基本のコミュニケーションを踏まえたグループワークを行いました。

参加者からは、

ヒューマンエラー防止についてグループ討議を行い、具体的な対策が理解できた。
グループワークの流れをもう少し具体例を挙げてあれば尚良かったと思います。

などのご意見・感想をいただきました。

以上