- 会議定足数の確認、議事次第と配布資料の確認
事務局より、委員全員が出席しており会議定足数を満たしているため、委員会が成立していることを報告した。その後、配布資料を確認した。
- 平岡人材育成部長挨拶(要旨)
本日はお忙しい中、諮問委員会にご出席頂きありがとうございます。令和5年度の運責試験も従来同様に品質を維持しながら実施できております。その中で第2回試験においては、4名の不合格者が発生しました。この結果についてはJANSIとしても注視しており、CNO会議を通じてその状況を共有し、各社毎に組織としてしっかりと強化対応頂くようお願いをしてきました。その結果、第3回試験では2名の方が合格し、徐々に改善されるものと思っております。
一方、発電所の状況ですが、柏崎刈羽発電所が燃料装荷を開始する等、女川、島根とBWRプラントも徐々に再稼働モードが近づいてきている様子です。このような中で今後も運責試験を継続していくことになりますが、いざという時にこの人にプラントを任せられるかどうかを口答試験で見極める必要があり、運責試験も益々重要な試験になってくるかと思いますので引き続きご指導宜しくお願いいたします。
(以降,委員長の指示により事務局にて議事進行を実施)
- 前回の議事録確認
「第17回運転責任者諮問委員会議事録」について、確認いただいた。
- 令和5年度運転責任者判定業務実施状況について
事務局より、「令和5年度運転責任者判定業務実施状況」、「令和5年度運転責任者判定試験・講習(第1~4回)の実施」について報告し、判定業務において「独立性、公平性並びに公正性」が担保されている旨の判断をいただいた。
なお、トピックとしては以下の通り。
令和5年度の不合格者はのべ8名であったことから、合格率が昨年度の94.6%に対して、81.4%に低下した。筆記・口答試験平均点も緩やかに低下傾向にある。
特に第2回試験では4名の不合格者が出た。4名は第3回試験に再受験したが、そのうち2名が再度不合格となった。
不合格の要因は明らかに個人の準備不足によるもの。口答試験時の姿勢もすぐに下を向く、回答に対するあきらめが早い等の様子が伺え、回答の視野も狭く運転責任者の立場として考えていない傾向が見られた。事業者には再受験に向けしっかりと準備頂くようお願いしている。
その他、判定業務に対する苦情、異議申し立て、不適合事項はなし。
【主な意見】
- 第2回試験の難易度に変更はないか。
⇒従来通りの難易度であり変更はない。
- 不合格者の得点はどうであったか。平均点の低下はその影響を受けているためではないか。
⇒不合格者は合格ラインに少し届かない者が大半であり、それだけが影響しているものではないと思われる。過去の合格者は高い点数で合格していたが、ぎりぎりで合格している者がいると平均点が下がってしまうこともある。なお、ぎりぎりで合格する者の中に再受験者が含まれる場合もあり問題視したこともある。
- ぎりぎりで合格した者に対してインタビュー(フォロー)しているのか。
⇒
JANSIとして受験者個人をフォローすることはないが、事業者には実際に各プラントの運転責任者として選任する際には十分意識付けをして頂くようお願いしている。
- 受験者の上長は日頃から受験者に指導しているのか。試験の為だけでなく、各自が責任を持って受験者を育成する必要があると思う。
⇒日頃よりしっかりと指導して頂いていると聞いている。他方、受験者の中には、職場ではよく頑張っていて優秀な方ではあるが、試験となると十分に力が発揮できていない方もいる。試験委員からは、運転責任者にはいざという時の判断を迫られるが、口答試験の状況を見ると不足を感じることもあるとのご意見を伺っており、しっかりと見極めて受験してほしい旨を事業者に伝えている。
- 試験問題は公開されているのか。
⇒JANSIのHPに公開している。
- JEAC4804の改訂について
事務局より、「原子力発電所運転責任者の判定に係る規程(JEAC4804)の改訂」について改訂内容を説明しご理解を頂いた。主なご意見は以下のとおり。
【主な意見】
- JEACが合否判定規程のリファレンスであれば、JEAC改訂を先にする必要はないか。
⇒事業者の合否判定規程の有効期限が切れる時期とJEAC改訂のタイミング(5年周期)からこのような順序になったが、改訂する内容を先に合否判定規定に反映させた形でNRAに申請し、確認頂いている。結果的にJEACと合否判定規定の間で齟齬がないようなスケジュール感をもって改訂している。
- 対面かオンラインか開催方法をどちらか一方にすべきではないのか。
⇒現在は対面開催をマストと考えているが、コロナ禍の約3年間はオンラインで開催し、対面開催と遜色なくできることを確認した。実績もあることから、今後、試験延期が余儀なくされた場合や事業者から要望があった場合を見据え、スムーズにオンラインで開催できるよう実施手段の一つと考え今回定義した。実施手段の多様化を明文化したものである。
- オンラインで開催する場合は誰が決めるのか。
⇒事業者からの要望があれば協議し、開催を決めることとなる。
- その他(運転管理関係活動報告について)
【実機体感研修】
運転中プラントにおける操作や現場を実際に見ることで緊張感を体感するとともに、研修先での良好事例を見出そうとする熱心な意気込みを感じている。今年度についても本活動を継続する旨説明した。主なご意見は以下のとおり。
- 再稼働が見えているプラントは是非とも研修に参加頂き、再稼働の過程をしっかりと勉強してほしい。
⇒そのように進めていきます。
【女性運転員意見交換会】
2024年3月14、15日、いわき産業創造館にて全国の原子力発電所(建設所)、日本原燃再処理施設で働く女性技術系社員による意見交換会を実施。ファシリテーターとして大阪大学 八木教授にご協力いただき25名が参加。また、東京電力の女性社員の方に講演頂き、電力間交流を実施した。今回は昨年度のトライアル開催に参加した方々の要望事項を踏まえ、福島第一原子力発電所現場視察も実施した旨を説明した。主なご意見は以下のとおり。
- 高い意識も持った方が参加された印象である。意見交換会は非常に良い取り組みなので継続して頂きたい。また、是非とも女性が安心して働ける職場を構築して頂きたい。
- 女性運転員の数はまだまだ少ないようではあるが、他の業界でも女性が活躍している。この取り組みをきっかけに女性運転員数が増えることを期待する。
⇒そのように進めていきます。
その他、以下の活動について概要を説明し、特にご意見はなかった。
【廃止措置運転員意見交換会(トライアル)】
1月22日 原子力安全推進協会で開催 廃止措置プラントの当直長9名が参加
【2023年度運転責任者合格保有者と学識経験者との情報交換会】
7月11、12日 いわき産業創造館で開催 運責資格保有者、学識経験者、訓練機関指導員など40名が参加
【2023年度原子力発電所中堅クラス運転員情報交換会】
10月12、13日 東京電力安全啓発センター及び原子力安全推進協会で開催 中堅クラス運転員、学識経験者など48名が参加
【発電所における運転責任者合格保有者と学識経験者とのコミュニケーション】
第30回(2023年 9月21日) 泊発電所 3名が参加
第31回(2023年 9月28日) 島根発電所 6名が参加
第32回(2023年10月25日) 敦賀発電所 4名が参加
第33回(2023年11月21日) 伊方発電所 6名が参加