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運転責任者諮問委員会 第16回議事要旨

日時 令和3年12月14日(火) 13時20分~15時30分
場所 原子力安全推進協会 オンライン会議

出席者(敬称略 順不同)

委員 木村委員長,森本委員,市瀨委員,吉川委員
原安進 平岡人材育成部長
事務局 坂元GL,高,土田,伊藤

議題

  1. 会議定足数の確認,議事次第と配布資料の確認
  2. 平岡部長挨拶
  3. 前回議事録の確認
  4. 令和2年度~3年度第3回運転責任者判定業務実施状況について
    • 判定機関再指定について
    • 運転責任者を志す方へのビデオメッセージについて
    • JANSI アクティビティ掲載記事紹介
  5. 令和3年度第3回までの判定結果に基づく電力周知内容について
  6. その他 (運転管理関係活動報告について)
    • 運転責任者情報交換会
    • 中堅クラス運転員の情報交換会
    • 東海第二コミュニケーション

議事概要

  1. 会議定足数の確認、議事次第と配布資料の確認
    事務局より委員全員が出席しており会議定足数を満たしているため、委員会が成立していることを報告した。その後、配布資料を確認した。

  2. 平岡人材育成部長挨拶(要旨)
    本日はお忙しい中、諮問委員会にご出席頂きありがとうございます。今回は昨年7に開催した以降の運責判定業務の実施状況についてご報告させて頂きます。前回は昨年度第1回運責試験の直後で、全国に緊急事態宣言が発令された中で初めて運責試験をオンラインで実施した直後に委員会を開催させて頂きました。その後、6回全てオンラインで開催してきました。オンラインによる実施では特に問題はなく、回を重ねる毎にスムーズに実施出来るようになっていると考えております。
    一方、事業者さんに目を向けると、再稼働を果たしたプラントでは新規制基準対応による業務や訓練等の増加により、また、これから再稼働を果たそうとするプラントでは審査対応等、原子力部門全体で多忙な状態が継続しているといった状況です。
    今回このような状況下で運責試験を行ってきており、そういった背景を含めてご報告したいと思っております。運責業務が適切に行われていることをご確認頂き、改善点やアドバイス等があればご助言、ご意見いただければと思っております。それではご審議、よろしくお願いします。

    (以降,委員長の指示により事務局にて議事進行を実施)

  3. 前回の議事録確認
    「第15回運転責任者諮問委員会議事録」について,確認いただいた。

  4. 令和2年度~3年度第3回運転責任者判定業務実施状況について
    事務局より「令和2年度~3年度第3回運転責任者判定業務実施状況」について報告し、判定業務について「独立性、公平性並びに公正性」が担保されている旨の判断をいただいた。
    なお、トピックとしては以下の通り。
    • 令和2年度全体の合格率の推移は従前とほぼ変わっていない。令和3年度は第3回まで実施したが、昨年度の不合格者2名に対して既に5名の不合格者が出ている。昨年度に比べ受験者数が少ない為、現段階での合格率が79%と低い状況である。合格者と不合格者の点数も昨年度に比べ低く、平均点が下がっている傾向にある。事業者には今後受験する者のみならず今回の合格者に対しても意識付け・サポートを実施するよう事業者事務局に連絡しており、あわせてCNO会議にて情報提供する旨説明した。
    • オンライン開催を含めた判定業務に対する苦情、異議申し立て、不適合事項の発生はないことを説明した。
    • COVID-19等によるパンデミック時の対応に関するJEAC4804への追記と廃止措置、中央制御室制御盤更新を考慮したJEAC4805の改訂内容について説明した。
    【主な意見】
    • 何故受験者全体の点数が下がっているのか。例えば、コロナになって生活環境が一変した。最近の風潮として、世の中全体が受け身になり、主体的に取り組む姿勢が低下していることが関係していないか。
      ⇒しっかりと解答し合格している者もいることから、基本的には受験者の準備不足が起因していると考えている。ただし、いくつかの懸念される要因も考えられることから、受験スケジュール等、受験に向けた指導を含めしっかりと準備頂くよう事業者には伝えている。コロナに加え再稼働が進まない状況が拍車をかけているかもしれない。
      受験者は口答試験のリハーサルを各事業所にて対面で実施するが、実際の口答試験はオンラインで実施することで過度な緊張感を抱き、本来の実力が発揮できていない面も考えられる要素ではある。
    • 事業者の反応はどうか。
      ⇒個人の問題で今回たまたまの傾向ではないかという意見がある。2年前にもPWR事業者で平均点が下がった時期があったが、事業者は改善し対応している。今回の結果を事業者がどう分析し、どう対応するかにかかっている。CNO会議でも情報を共有することになる。
    • 判定機関側に原因はないか。
      ⇒問題の難易度等昨年度からの変更はない。
    • 全体的に正解率が落ちているのは個人の問題ではなく、受験者を取り巻く環境がそうさせているのではないか。定性的にこうだとは言い難いが、プラント長期停止、新規制基準対応等が運転員に対して徐々に影響を及ぼし、モチベーション維持が困難な状況や士気の低下等を引き起こしているかもしれない。予想より深刻な状況かもしれないので、事業者は危機感をしっかりと持つべきではないか。
      ⇒こういった意見があることを事業者に伝えたいと考えている。

  5. 判定機関再指定について
    特に意見なし。

  6. 運転責任者を志す方へのビデオメッセージについて
    良い取り組みではある。改善点もあると思うので工夫を重ねてさらに良いものにしてほしい。

  7. JANSI アクティビティ掲載記事紹介
    特に意見なし。

  8. 令和3年度第3回運転責任者判定試験結果からの考察と連絡事項
    事務局より「令和3年度第3回運転責任者判定試験結果からの考察と連絡事項」について報告し、令和3年度の合格率の推移状況と事業者への連絡事項について説明した。また運営委員会の対応状況、来年度の試験実施方法について説明を行い、ご理解いただいた。
    【主な意見】
    • 口答試験について運営委員会委員から発言があり対応したとのことだが、具体的にどう対応したのか。
      ⇒事業者を牽引する組織としての観点から、事業者に対して、口答試験の際にはシステマティックに物事を考えることや体系的に整理をした上で説明するよう注意を促すべく、受験者を指導する際の参考としてもらうよう事例を提示した。
    • 次年度の実施方法はどうするのか。
      ⇒現在緊急事態宣言は解除されコロナ感染者数も減少しており、対面で実施することは可能と思われる。また事業者としても立会人を手配する等負担もある。一方で、虎の子の運転員を出張させることに違和感がある事業者もあると聞いており、そういう意見との兼ね合いで実施方法を決めることになる。
    • 合格率の低下は一概に個人の問題だけとは言えないと思う。組織としての問題点はないか。指導者がしっかりと個人を把握して必要な指導を行うとともに、試験を受けるに相応しい人材に育て上げステップアップさせることが必要である。断面的ではなく、継続的な育成に取り組むことが大事。
      ⇒こういった意見があることを事業者に伝えたいと考えている。2月には第4回試験も控えており、結果がそろい次第お知らせしたい。

  9. その他(運転管理関係活動報告について)
    • 令和3年度運転責任者合格保有者と学識経験者との情報交換会
      7月14日、15日オンラインで開催 運責資格保有者、学識経験者、訓練機関指導員など43名が参加
    • 令和3年度原子力発電所中堅クラス運転員情報交換会
      10月29日オンラインで開催 中堅クラス運転員、学識経験者など58名が参加
    • 第24回発電所における運転責任者合格保有者とのコミュニケーションの実施
      10月21日オンラインで開催 東海第二発電所運責資格保有者と学識経験者ら9名が参加
      ⇒特に意見なし。

以上