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第14回議事要旨
運転責任者諮問委員会 第14回議事要旨
日時
平成31年4月25日(木) 15時00分 ~ 17時30分
場所
原子力安全推進協会 第5会議室
出席者(敬称略 順不同)
委員
木村委員長,森本委員,市瀨委員,吉川委員
原安進
中川人材育成部長
事務局
坂元GL,千葉
議題
会議定足数の確認,議事次第と配布資料の確認
中川部長挨拶
前回議事録の確認
平成30年度 運転責任者判定業務実施状況について
(通常運責及び1F運責)
運責保有者とのコミュニケーション他について
運責保有者とのコミュニケーション,実機体感研修について
1F 風化防止ビデオについて紹介
ROP 関連情報・・・面談議事録
その他(フリーディスカッション)
◎令和元年度外部的監査事項について
集中型コミュニケーション~今年度オブザーブ依頼について
原子力発電所建設視察 電源開発 大間~日本原燃 再処理施設
議事概要
平成30年度 運転責任者判定業務実施状況について
事務局より,「平成30年度運転責任者判定業務実施状況」について報告し、判定業務について、「独立性,公平性並びに公正性」が担保されている旨の判断をいただいた。
尚,トピックとしては以下の通り。
ⅰ)通常運責は平成30年度は不合格者が5名と今までの1~2名/年から比較すると多かった。
平成26年度以降,筆記口答全体の平均点が低下している。筆記試験ではBWRが低下,PWRは上昇傾向となっているが,B/P平均点は低下傾向。口答試験はBWRがやや上昇,PWRがBWRより2点程度低い点数で伸び悩み,B/P平均点はやや上昇傾向となっている。
【主な意見】
筆記試験の最近の傾向として,PWRの点数が上昇傾向を継続している理由は。
⇒再起動に伴う業務量が落ち着いてきたことや,点数低下傾向時に電力窓口に懸念事項として通知したことが上昇につながっていると考察できる。
口答試験のPWRとBWRの得点差(2点程度)は裁量の差か。
⇒ワードでの得点(3点)にそれほどの差はないが,裁量での得点(2点)の違いと考えている。回答がすらすらと出でくること,内容が良く整理されていること,大きな声でしっかりと回答すること等が裁量点の得点につながっている。
口答試験は,BWRがPWRより2点程度高い傾向が続いているが実際どうなのか。
⇒PWR受験者方の年齢が高く,経験等も豊富であるため高得点になるかと思っていたが,年齢の若いBWRの方が高い得点であった。BWRは口答試験にあたり,リハーサルにビデオ撮影を採用している電力もあり,しっかりと準備ができているものと思う。ただ,リハーサルの影響で,紋切型の回答をする傾向もある。
口答試験のPWRとBWRで試験委員は違うのか。違うのであればその影響はないのか。
⇒それを防ぐために,講習講師等にPWRとBWR両方の口答試験をオブザーブしてもらっているが,裁量点(内容)に違いはなく,実力差であると評価をいただいている。また,試験委員はBWR,PWRに固定しているわけではなく,試験毎に委員選定をおこなっている。
口答試験の点数は,本当に受験者の実力を表しているのか。試験のために訓練をおこなっている結果の点数ではないのか。
⇒紋切型の回答等リハーサルの影響もあるかもしれないが,いろいろな角度から質問しており,その回答の幅,深さ,内容で受験者の実力は確認できている。
委)裁量点があると本当の実力が表われると思う。
試験の点数は年度の平均値であらわしているが,口答試験は受験者のバラツキ(点数幅)も確認したい。
⇒次回より説明資料に追加する。
受験者にアンケート等は実施しているのか。受験者評価が必要である。
⇒各講習毎に行っている。
ⅱ)1F運責については,平成30年度を含め不合格者は出ていない。しかし,1F5,6は廃炉されているが,1F1~6資格を有するためには通常運責資格が必要である。そのため,1F業務をやりながらの通常運責資格維持が難しく,また,受験者は非常に苦労していると聞いている。そのため,東京電力では1F運責制度全体の見直しを(1F運転員は1Fのみを担当し,他の発電所と人事交流も行わないことを含めて)進めている。早ければ1~2年程度で新制度に移行予定であるとのこと。
【主な意見】
新制度になれば1F専門の運転員になるとのことだが,モチベーションは低下しないのか。
⇒我々もそのような懸念を持っていたが,1Fの運転員は1Fに専念したいという希望が多いとのことである。
廃炉への運転員構成はどうなっているのか。
⇒通常のプラントであれば,燃料を取り出してしまえば運転責任者は不要となるが,1F1~4は燃料が取り出せないので,運転責任者資格が必要となる。ただし,特定原子力施設としての運転責任者となるため,1F運責制度がある。
新制度見直しに対するJANSIの関わりはあるのか。
⇒電力が進めることであり,決まった場合はその内容でJANSIが対応していくことになるが,1F1~6の運責制度の統合についてはJANSIも働きかけている。
ⅲ)運転責任者委員会活動状況については,諮問委員会,運営委員会,試験問題委員会が規程に定められた通り開催したこと及びその概要について説明した。トピックとしては以下の通り。
第26回の運営委員会で,1Fの各回の試験結果の傾向と試験委員・講習講師のご意見を通常運責と同様に1F運責保有者,受験者に対し情報として幅広く提供するため,平成30年度第3回からJANSIホームページ公表を開始したことを報告した。
第27回の運営委員会で,今回の諮問委員会でも報告予定である不適合2件を報告した。
いずれも合否判定の根幹に関わるものではなかった。
諮問委員会活動で諮問委員が参加された「集合型コミュニケーション活動」を今年度も福島県いわき市において7月18日,19日で実施するので,参加願いたい。
【主な意見】
なし
ⅳ)判定業務に対する独立性,公平性並びに公正性の観点からの考察について説明した。
電力からの苦情や異議申立てはなかった。尚,トピックとしては以下の通り。
最近では講習で,講師が求めた課題に対して,回答数及び回答内容の不足のため不合格者が出ている。不合格にまでには至らないがそのような傾向の目立つ受験者もいる。
特記事項として,平成30年度は原子炉設置者による判定機関であるJANSIの指定継続のための電力審査(判定機関として要求事項を満足していることの確認)を受け,再指定された。
【主な意見】
講習での不合格者について考えられる原因は何か。レポートのフォーマットや課題の設定,内容が分かりにくいということはないのか。
⇒講習で不合格になることはほとんど無いので,事務局でも原因を分析している,毎回40名程度の受講者がレポート課題を作成するが,大部分の受講者はしっかりと書きあげていることから,レポートのフォーマットや課題設定が問題ではなく,受講者が課題をしっかりと読んでいない,理解していない,あるいは思い込みで解釈している等が原因ではないかと思われる。
年齢等での傾向はあるのか。
⇒特にない。個人の特性であると思う。
原子炉設置者の判定機関への指定審査,定期審査時は全ての電力会社が来るのか。その内容は厳しいのか。
⇒全電力が判定機関が要求事項を満足していることを確認するため,一斉に来る。国からの要求事項の確認もあるので,しっかりとした対応をする必要があり,厳しいものと受け止めており,時間もかかる。
ⅴ)平成30年度の判定業務における特記事項
不適合が2件が発行されたため,事務局から資料により経緯,原因,対応,影響評価等の説明を行い,合否判定の根幹に関わるものではないことを確認された。
【1 件目】シミュレータ訓練機関認定証発行に係る不適合
【2 件目】合格証保留証明書の発行誤りに係る不適合
【主な意見】
それぞれの不適合は誰が気づいたのか。
⇒①【1 件目】はJANSIの事務局で気づいた。②【2 件目】は電力から連絡があった。
不適合2 件については了解した。但し,2 件目の証保留証明書の件については合格証だけで運用できないかと思っているので,保留証明書そのものについて必要性が理解できない。経歴・地位以外の更新条件が満足したら合格証を発行し,経歴・地位が確立した時点で電力が運転責任者として定めればいいのではないか。
⇒現在の規程では,更新にあたり管理・監督的な地位にいない場合においては,条件を満たさないために合格証は交付できない,となっており,そのため保留証明書を発行し,条件が成立した時点で合格証に切り替えている。ただし,更新で合格証が発行された人が途中で経歴・地位がなくなっても合格証をから保留証明書への切り替えはおこなっていないのが現状である。
そうであれば,保留証明書はなぜ必要なのか理由が分からない,運用も合っていない。
航空業界では,ライセンスに対してフローズン制度があり,更新でライセンスを発行するが,有効になるのは条件を満たした時である。
鉄道業界では,条件を満たせば免許証を発行するが,車両の運転ができるわけではない。会社が運転士という発令をして運転が可能になる。
⇒運転責任者も同じであり,運転責任者合格証保有者の中から会社が当直長として任命する。
なぜ保留証明書の発行が必要なのか。
⇒ご意見は理解できるが,経歴・地位は更新申請に対してのエントリー条件となっておらず,現状のルールでは他の更新条件が満足していても,経歴・地位が満足していないと合格証は出せない。更新条件を満足する経歴・地位の証明は発電所長がおこなう。
ルールには何があるのか。
⇒国に提出している各電力の合否判定規程とその基になっているJEACがある。
保留(証明書)という概念が必要なのか,必要性が理解できない。合格証だけの運用でいいのではないのか。但し,このような運用になった経緯,背景があるかもしれないので,その確認もおこなって欲しい。
⇒諮問委員会のご意見として承る。JEACの改訂時期でもあり見直すことを検討したい。
ⅵ)平成30年度及び令和元年度の判定業務における重点実施事項
平成30年度実績及び令和元年度計画について,以下の項目(概要)を説明した。
法令,保安規定,設備変更等の確実且つ速やかな試験問題への反映。
試験問題バンクの整備・拡充。
発電所訪問及び集中型の運転責任者合格証保有者とのコミュニケーション活動。
・発電所訪問のコミュニケーション活動は年3箇所程度実施(計画)。
・集合型コミュニケーション活動は,本年度も福島県いわき市で1回計画。この活動には諮問委員にも参加していただきたい。
再起動に係る運転員の技術力向上対策の推進。
・実機体感研修は希望する電力が多く,本年度は11チームの受入枠を作り,稼働しているPWRプラントで計画する。短期のほとんどはBWRとなるが,PWR は1~1 年半の長期派遣の希望も出ている。
運転管理グループとしての活動
ⅰ)運責判定のみでなく,広くプラントの運転管理について対応している状況について説明した。
TCP(専門分野ごとの発電所等からの問い合わせ窓口)の運用。
重要課題AFI に対する支援。
・ピアレビューにおける電力共通課題【シミュレータ訓練における正確な制御と綿密な監視】についての対策として,CPO 訓練を参考とした長時間型対応訓練に係るレッスンプランの策定とCOP と同等の運転訓練の導入を,二つのフェイズで実施することとした。
【主な意見】
CPO 訓練とはどのような訓練なのか,発電所全体での訓練なのか。
⇒ピアレビューでは運転部門と運転訓練関係部門(インストラクター等)で実施する,シナリオ,対応,反省・指導等の訓練全体を見る。運転員は訓練では失敗してもいい,むしろ失敗から学ぶための訓練と思っているが,レビュワーはCPO訓練では失敗してはならないものであると位置付けており,運転員に対しCPOの求めるものの意識づけをしっかりしなければならない。
CPO 訓練の目的は運転員に説明していたのか。
⇒レビュワーが事前説明をしっかりとしていなかった。お互いのミスコミュニケーションがあったのが現実である
ⅱ)ROP 関連情報
ROP(新検査制度)試運用がフェーズ2 に入り,発電所での実施にあたり,運転員の能力確認検査試運用についてNRA 要請による面談があったので状況を紹介した。
【主な意見】
NRA はNRC と同等になりたいと考えているのか。基本的にはNRC と同じことを全て自分達がやらないと同等とは言えないと思う。
⇒NRA はシミュレータ導入などで力量は上がってきているが,運転責任者判定業務はできないと考えている。ただし,合否判定規程を認めているので,JANSI にもいろいろ確認に来る可能性はあると思っている。
運転責任者以外の各運転員のポジション認定まで関与してくるのか。
⇒電力が各運転員認定の仕組みを作っていることが説明できれば良いと考えている。
その他(フリーディスカッション)
ⅰ)令和元年度外部的監査事項については,「原子力発電所建設視察 電源開発 大間~日本 原燃再処理施設」を計画していることを説明した。
ⅱ)7月に1Fで計画している集中開催方式の情報交換会について内容を説明し,参加していただくことで調整した。
ⅲ)1F事故振り返り風化ビデオ(JANSI 製作)【教訓編】について,実際に視聴していただくと共に,【解説】について,作成経緯,目的・活用方法等を説明した。原子力関係者に広く活用してもらうことを目的に,会員限定ではあるがHP に公開していることを報告した。
以上
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