活動実績等

運転責任者諮問委員会 第13回議事要旨

日時 平成30年4月20日(金) 11時00分 ~ 16時00分
場所 原子力安全推進協会 第5会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 木村委員長,森本委員,市瀨委員,副島委員
原安進 中川人材育成部長
事務局 坂元GL,千葉

議題

  1. 会議定足数の確認,議事次第と配布資料の確認
  2. 中川部長挨拶
  3. 前回議事録の確認
  4. 平成29年度 運転責任者判定業務実施状況について
    (通常運責&福島第一運責)
  5. JANSI 組織改正 他について
    • 組織改正概要~運責判定への影響について
    • 運責保有者とのコミュニケーション,実機体感研修について
    • 1F 風化防止ビデオについて
  6. その他(フリーディスカッション)
    • 平成30年度外部的監査事項について
      原子力発電所建設視察 電源開発 大間~日本原燃 再処理施設

議事概要

  1. 平成29年度 運転責任者判定業務実施状況について
    事務局より,「平成29年度運転責任者判定業務実施状況」について報告し、判定業務について、「独立性,公平性並びに公正性」が担保されている旨の判断をいただいた。
    尚、トピックとしては以下の通り。

    ⅰ)通常運責試験平均点については,平成26年度からP/B受験者全体の低下と,P/B平均点の乖離,特にPWR受験者の低下が見られる傾向であったが,平成29年度は回復傾向となった。
    PWRの成績低下は再起動に伴う業務量の増加による試験準備不足の可能性もあったと思われたことから,電力窓口に懸念事項として報告するとともに,継続監視していた。
    回復傾向の要因は,再起動もだいぶ落ち着いてきたことや電力にも懸念事項として報告したことが考察できるが,母数が少ないことから今後も継続監視していく。
    【主要意見】
    • 試験平均点の低下理由に新規制基準に伴う新しい追加問題の難しさ等の影響はないのか。
      ⇒ それはない。各回とも何問かは新規制基準等に関する問題を出題しているが,その正解率は高い傾向となっている。
    • 試験成績低下は,各電力の人材確保に影響は出ていないのか。
      ⇒ 成績低下が直接影響するものではないが,人材確保についてはプラントが長期停止していることもあり,各電力とも苦労している。特に原子力発電専門である日本原電が人材流出が多く苦 労していると聞いている。

    ⅱ)1F運責については,開始した平成26年度から成績はやや低下傾向ではあるが,平均得点は高得点である。資格取得のパターンは通常運責資格を取得してから1F運責資格を取得していたため,2つの運責資格取得に対して口答試験は1回であったが,今後は,1F運責資格を取得してから通常運責資格を取得するパターンが出てくると聞いている。その場合は,現状の制度ではそ れぞれの資格取得時に口答試験をおこなう必要があり,口答試験が2回となる場合がある旨を説明した。
    【主要意見】
    • 1Fの運連責任者は他発電所への異動はないのか。
      ⇒ 今はほとんどないが,今後異動が出てくる可能性はあると聞いている。そのため,1Fの運連責任者には通常運責資格を保持させていると聞いている。
      ⇒ 関連して,経歴の扱いについては実用炉の運転業務が対象となるが,プラントが長期停止しているため,運転経験としてカウントできるかどうか懸念が出てくる。
      運責制度に知識のないJANSI 新入社員からもそのような意見があった。
    • 1F運責の資格は,「1~4号炉」,「1~6号炉」,「5・6号炉」の区分があるので,通常運責にもプラント毎の資格が必要になるのではないか。
      ⇒1F も1つの区分にしたかったが,当時のNRA からの要求によりこのような区分となった。
      日本では,BWR,PWR それぞれの根幹的な知識を確認する試験であり,プラント毎の知識については各社で実施しているため現状の区分で良いと考えている。

    ⅲ)運転責任者委員会活動状況については,諮問委員会,運営委員会,試験問題委員会が規程に定められた通り開催したこと及びその概要について説明した。トピックとしては以下の通り。
    • 第25回の運営委員会で,電力合否判定規程審査(再申請)に係るNRA によるJANSI 視察(3/29)について,初めてのことであったので情報を提供した。
    • 第23回の試験問題委員会で,実用炉規則改正に伴う筆記試験出題問題の追加について報告を行った。試験問題委員会規約には,筆記/口答試験問題の具体的な出題範囲が審議事項として定められているが,法令・保安規定が改定された場合は速やかに試験問題に反映するよう電力から求められている。経過措置がなく至近に委員会がない場合には,試験問題委員会での審議を待って試験問題に反映するとなると,電力からの要求事項を守れなくなる可能性がある。明らかに審議する余地のないもの等については事後報告とし,事務局で判断に迷うものは審議いただくこと で了承を得た。
    • 【主要意見】
        なし

    ⅳ)判定業務に対する独立性,公平性並びに公正性の観点からの考察について説明した。
    特記事項として,平成29年度第2回から,更なる公正性を確実にするために,口答試験の時間管理(標準化)の取組みについて説明。結果としては,口答試験の所要時間は一定時間内に 収まり,試験もメリハリのあるものとなった。また,時間管理が試験の妨げになることはなかった。
    【主要意見】
    • 判定業務に対する苦情,異議申立て,不適合事項はないとのことであるが,国や電力から意見はいろいろとあるのか。不適合が発生した場合は再発防止をしっかりやることが重要である。
      ⇒ 判定業務に対してはほとんどない。但し,JANSI のHP に公開した公表問題に対しての確認や意見はある。平成29年度に不適合はなかったが,平成30年4月に発生した。内容は,毎年年度末にJANSI のHP に公開している公表問題の一部に,正解のない問題や注記の削除忘 れである。状況としては,公開用の掲載版の体裁整え時に発生したものであり,問題そのものの根本には影響を与えるものではなかったが,HP に公開した時点で不適切な状況となること から,不適合と判断したものである。今後再発防止を検討する。
    • 更なる公正性を確実にするための,口答試験に時間管理(標準化)はとても良い取り組みである。
      ⇒ 拝承。
  2. JANSI 組織改正他について
    ⅰ)組織改正概要~運責判定への影響について,事務局から資料により説明を行い,ご意見を伺った。特に反対意見等はなかった。(資料は説明後回収)
    ⅱ)運責保有者とのコミュニケーション,実機体感研修について,事務局から資料により説明を行った。トピックとしては以下の通り。
    • 発電所を訪問しての運責保有者とのコミュニケーション活動は,平成26年6月から開始したが平成29年度で全17サイトを完了し,平成30年度から2巡目の活動を開始する。
    • 新たな運責保有者とのコミュニケーション活動のトライアルとして,平成29年2月に集中開催方式の情報交換会を実施した。結果が好評であったため,発電所訪問のコミュニケーション活動と複合させて年1回程度実施していく計画である。
    • 平成29年度から,再稼働に係る運転員の技術力向上対策として,運転中のプラントを活用した実機体感研修を実施している。実績としては短期間ではあるが7回実施した。
      運転中のプラントはPWR であるが,BWR 運転員も参加している。派遣元,受入れ先共に有意義であるとの感想が多くあった。今後は実施後の意見を取り入れ,中長期型の研修を計画していく予定である。
    ⅲ)1F風化ビデオ(JANSI 製作)について,実際に視聴していただくと共に,作成経緯,目的・活用方法等を説明した。原子力関係者に広く活用してもらうことを目的に,各電力会社に提 供したことや会員限定ではあるがHP に公開してことを報告した。
    ⅳ)電力合否判定規程審査(再申請)に係るNRA によるJANSI 視察(3/29)があった。初めてのことであったが(一部の電力とともに対応し),具体的な仕組みに関しての確認であった。NRA としては,判定機関であるJANSI の独立性に関する発言が多かった。

  3. その他(フリーディスカッション)
    ⅰ)平成30年度外部的監査事項については,「原子力発電所建設視察 電源開発 大間~日本原燃 再処理施設」を計画していることを説明した。
    ⅱ)1Fで計画している集中開催方式の情報交換会について内容を説明し,参加していただくことで調整した。

以上