活動実績等

運転責任者諮問委員会 第12回議事要旨

日時 平成29年4月21日(金) 13時30分 ~ 16時00分
場所 原子力安全推進協会 第5会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 木村委員長,森本委員,市瀨委員,副島委員
原安進 中野安全システム本部長,中川人材育成部長
事務局 坂元GL,千葉

議題

  1. 会議定足数の確認,議事次第と配布資料の確認
  2. 中野安全システム本部長挨拶
  3. 前回議事録の確認
  4. 平成28年度 運転責任者判定業務実施状況について(通常運責&福島第一運責)
  5. その他
    • INPO GAPアセスフォローアップ結果への対応について
    • 口答試験委員と運転責任者合格証保有者とのコミュニケーションについて
    • 伊方発電所における実機体感研修の実施について
    • 福島第一事故の風化防止のための取組について
    • 平成29年度外部的監査計画について(原子力発電(運転,廃炉)施設,再処理施設視察計画等)

議事概要

  1. 平成28年度 運転責任者判定業務実施状況について
    事務局より,「平成28年度運転責任者判定業務実施状況」について報告した。トピックとしては以下の通り。

    ⅰ)通常運責試験平均点については,P/B受験者全体の低下と,P/B平均点の乖離,特にPWR受験者の低下が平成26年度から見られるようになっているが,その傾向は継続している。傾向分析のため,筆記試験と口頭試験それぞれについて平均点推移を確認した。筆記試験については,BWRは回復傾向にあるが,PWRの低下は継続している。口答試験については裁量の見直しをおこなったため,全体としては低下傾向に見えるが,P/Bの点数差は少ない。このことから,PWRの成績低下は筆記試験による影響が大きく,再起動に伴う業務量の増加による試験準備不足の可能性もあることから継続監視していく(電力窓口には,懸案事項として報告済み)旨を説明した。
    • 試験全体のP/B受験者平均点の低下については理解できるが,P/Bの平均点の差は口答試験の裁量の見直しによる影響か。
      ⇒ それはない。口答試験についても平成26年度まではPWR受験者のほうが平均点は高かったが平成26年度以降はBWR受験者の平均点が高くなっている。これは,BWRでは有資格者を増やすために経験値の少ない年齢層を受験させ不合格となったことがあるため,口答試験準備に力を入れてきている結果の表れであると思う。
    • 口答試験の試験委員はP/Bとも同じ人か。
      ⇒ 委員は異なる。しかし,Pの委員がB(その逆もあり)を試験したり,オブザーブする機会もあるので,裁量の考え方についてはしっかりとPDCAが廻され,統一されている。P/Bの両方の口答試験をオブザーブされた講習講師は,BWR受験者の方が良くできていて,その評価は点数として表れているとの感想であった。
    • 試験問題や内容にP/Bの差は無いのか。
      ⇒ 差は無いと考えている。筆記問題の7割程度は共通問題であり,難易度・重要度も同一である。口答問題は同一の問題である。また,最終的に出題前に筆記・口答試験問題は試験委員がレビューしている。PWRの間違いは,新規問題ではなく公表問題に多い。
    • P/B受験者の点数差を傾向として捉えることは良いが,内容(個人によるもの,再稼動に伴う業務量増加等の環境によるもの等)を分析すること。
      ⇒ 拝承。(個人や会社に関することもあり,難しい面もあるが検討する)
    • P/Bの平均点の違いについては,受験者数の相違による影響も考える必要があるので,データやグラフ等には具体的な人数を記載すること。
      ⇒ 拝承。

    ⅱ)1F運責については,業務内容が原子炉・燃料設備管理に加え水処理に重点が置かれるようになり,水処理業務に対応するため,水処理集中制御室,水処理当直体制が設置された。水処理当直長には,1~4号機として同一資格を付与するため,水処理当直長のための受験者数が増えているが,成績はほぼ従来通りである旨を説明した。
    【主要意見】
    • 1Fの運連責任者は不足していないのか。
      ⇒ 計画的に受験して運連責任者資格を取得しているので足りている。今までは運転員経験者が受験していたが,水処理当直体制を設置したため従来水処理設備を担当していた運転員経験者以外(保修経験者)の人も受験してきている。
    • 合格者数には,一度不合格になり再受験した人はいるのか。途中でやめた人はいるのか。⇒ 1F運責は不合格者はいないので,再受験者はいない。通常運責では不合格者はいるが,再受験で合格している。不合格となって途中でやめた人はいない。
    • 1F運責で不合格者がいないことはどう考えるのか。
      ⇒ 試験制度が始まったばかりなので,この様な結果になっている。今後は不合格者が出てくるのかもしれない。
    • 通常運責で複数回不合格となった人たちの人間的側面(共通的要因等)はどうなのか。
      ⇒ 人間的側面は分からないが,責任者として資質があるので,複数回受験させていると思う。

    ⅲ)運転責任者委員会活動状況については,諮問委員会,運営委員会,試験問題委員会が規程に定められた通り開催したこと及びその概要について説明した。
    【主要意見】
    • 第21回の運営委員会,試験問題委員会の主な内容にある,「OPエクセレンスガイドライン」と「TCP(専門分野ごとの問い合わせ窓口)」についての記載は運営委員会の審議事項ではないと考える。「INPOのギャップアセス」は関連があると思うが。
      ⇒ 「OPエクセレンスガイドライン」と「TCP(専門分野ごとの問い合わせ窓口)」審議事項ではない。あくまでも紹介である。「INPOのギャップアセス」は運転責任者制度と関連があるので報告事項である。

    ⅳ)判定業務に対する独立性,公平性並びに公正性の観点からの考察について説明した。また,補足資料にて,平成28年度第4回の試験委員候補者の選任変更に関する改善活動報告書について説明した。
    【主要意見】
    • 各回の試験委員の選任にあたっては,受験者と関連が無いことを確実にするため,試験委員名簿には,出身母体(電力),関係会社であれば電力との繋がりが明確に分かる記載をすること。
      ⇒ 拝承。
    • 試験委員については,出身母体(電力)及び関係会社の従業員は,退職後3ヶ月は選任できないとなっているが,「3ヶ月」の根拠は何か。
      ⇒ 確認する。
    • 試験結果の評価(平均点の表)には,PWRとBWRの受験者数相違による影響も考える必要があるため,受験者数を記載すること。
      ⇒ 拝承。
    • 平成29年度その他の取組みの「運責保有者とのコミュニケーション活動」では,全17発電所訪問が一巡することから,新たな企画を検討しているとのことであるが,電力のニーズをしっかりと確認すること。
      ⇒ 拝承。
  2.   
  3. その他
    JANSIの人材育成活動の総括と今後の取組みについて,事務局より説明を行い,ご意見を伺った。
    【主要意見】
    • INPOギャップアセスの指摘は,JANSIの性格(電力出向者,OBによる構成)を考えると,以前から客観性について疑問視している件と同様の意見だと思う。
      ⇒ その客観性を確保するために,運営委員会,諮問委員会を設置し監視をお願いしている。
    • 発電所では自分たちの活動を高めるために,グループ的な小集団活動はやっていないのか。
      ⇒ 発電所では,当直の班単位を含めて小集団活動は発電所全体でおこなっている。
    • 公表試験問題がかなり多いようだが,1回の出題数(60問)に対して多すぎないか。受験者の事前勉強も大変であると感じる。
      ⇒ 発足当初から公表問題を充実させるために徐々に増やしてきたが,法律や設備の追加等で増加している面もあり,また,難易度や重要度の異なるもの,更には類似問題等もあるため現在の数になっている。試験委員からは,受験者がしっかり勉強するためには必要であるとの意見をいただいている。
    • 平成29年度外部的監査(視察)では,運転プラントと廃止措置段階のプラントにおける運転責任者の業務環境の違い等について確認する計画とした。

以上