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運転責任者諮問委員会 第9回議事要旨

日時 平成26年4月21日(月) 10時30分 ~ 13時00分
場所 原子力安全推進協会 第4会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 木村委員長,森本委員,市瀨委員,副島委員
原安進 藤江理事長,久郷理事部長,中川部長代行
事務局 坂元GL,久保田,白土

議題

  1. 木村委員長,森本委員の再委嘱について
  2. 平成25年度 運転責任者判定業務実施状況について
  3. JEAC4804「原子力発電所運転責任者の判定に係る規程」改定,JEAC4805「原子力発電所運転責任者の判定に係るシミュレータ規程」制定の概要について
  4. 平成26年度 運転責任者諮問委員会による外部監査的確認計画について
  5. 「原安進におけるリーダシップ研修の体系化の必要性について」及び「原子力の自主的・継続的な安全性向上に向けた提言」について

議事概要

  1. 木村委員長,森本委員の再委嘱について
    木村委員長及び森本委員の委嘱継続(期間3年)について確認いただいた。
  2.   
  3. 平成25年度 運転責任者判定業務実施状況について
    事務局より報告を行った。主な意見は以下の通り。
    • 長期停止中は,技能維持のため運転時よりシミュレータ訓練の回数を増やすべきではないか。更に,起動見通しが得られた後は,再起動に必要な項目に焦点を当てた取り組みが重要となる。
      ⇒電力も承知しており,シミュレータ訓練,研修,起動準備等事業所毎に独自に検討し,能動的に取り組んでいると聞いている。
    • 技能確認用の筆記試験については,実技試験を筆記試験で代替することではないため,1F安全管理に必要な技能について検討した結果,筆記試験で確認できる,との表現が適切である。
      ⇒拝承。
    • 通常運責合格証保有者の1F試験受験に関して,合格までは資格を有していないことにならないか。
      ⇒1F合否判定規程施行後,1年間の猶予期間があり,この間に受験し資格取得することが原子力規制委員会に了承されている。
    • 1Fは,今後新しい設備の追加設置が考えるが,当該設備に関する知識・技能を確認するための再試験は,必要ないか。
      ⇒1F管理に必要な知識・技能が大きく変わるものではないので再試験は必要ないと判断している。なお,新しい設備は随時試験・講習等に取り込んでいく。通常運責における設備変更時も同様であり,必要な教育・訓練で拡充可能と考える。
    • 教育・訓練で対応可能とならない変更もあり得る。どの程度の変更があったら再試験が必要となるか,基準を明確にする必要がある。
      ⇒1F管理に必要な知識・技能が大きく変わるものについては,再試験の必要性を検討すべきと考えるが,現時点で基準の設定は難しい。基本的には3年毎の更新時の筆記試験と教育・訓練で対応可能と考えている。
  4.   
  5. JEAC4804「原子力発電所運転責任者の判定に係る規程」改定,JEAC4805「原子力発電所運転責任者の判定に係るシミュレータ規程」制定の概要について
    事務局より報告を行った。主な意見は以下の通り。
    • 10月からシビアアクシデントの実技試験が導入されるが,9月以前の判定者は実技試験による確認がされないことについて,適切な対応が必要と考える。
      ⇒9月以前の判定者については,比較的短期間(1年程度),または再起動時期を目安とした教育訓練を実施することが必要と考えている。

  6. 平成26年度 運転責任者諮問委員会による外部監査的確認計画について
    事務局より説明を行い,平成26年度の外部監査的確認計画について確認された。
  7.   
  8. 「原安進におけるリーダシップ研修の体系化の必要性について」及び「原子力の自主的・継続的な安全性向上に向けた提言」について
    事務局より説明を行った。主な意見は以下の通り。
    • 原安進は,資源エネルギー調査会WGの提言に対する事業者の取り組みを積極的にPRすべきではないか。
      ⇒原安進はINPOの機能を目指しており,家庭教師(牽引役)的な役割を負うことから,生徒(事業者)が自主的に公表し,原安進は牽引役の立場で意見を述べることが適切と考えている。
    • シビアクシデント対策について,設計段階で安全性を高めるとあるが,担保するレベルをどこまで設定するかが重要である。
      ⇒設計ベースの中にシビアアクシデントを含め,事業者,メーカ,学協会等が国内外の知見をシビアアクシデント対策の向上及び基準整備に活かし,安全対策を積極的に実施していくことが提言されている。
    • 規制側の要求レベルが,最低レベルか,最高レベルかを明確にする必要がある。他産業では,一般的にリーズナブルなレベルにあり,事業者は自主的により高い基準を設定し,性能向上及び技術力向上に繋がっている。規制要求が高過ぎると,クリアすればよいとなり適切でない。
      ⇒原子力は,原子炉等規制法により規制対象を許可することからスタートしている。日本は規制要求に適合することでよしとし,自主保安に任せられた部分については,自主的により高い安全基準を設定しなかったことが,1F事故の教訓となっている。この反映として,規制要求にとどまらず,世界最高水準(エクセレンス)を追求することが,原安進の存在意義となる。

以上