活動実績等

日揮(株)横浜本社にて第158回安全キャラバンを実施

平成28年2月17日、横浜市の日揮(株) 横浜本社において、第158回安全キャラバンを実施し、安全講演会と安全情報交換会を行いました。

1.安全講演会

横浜市の日揮(株) 横浜本社の社員、協力会社社員等45名が出席されました。

講演会の冒頭、第3事業本部 理事 本部長代行の藤田 昭様から、

「本日は、原子力の安全に関連し、ご講演、ご議論いただく機会を設けていただいたことをお礼申し上げます。 弊社は、エンジニアリング会社として、主として設備の設計を通じて施設の安全に関与している訳ですが、実は、東日本大震災後、フランスで原子炉を見学する機会がありました。その際見学したのは、例えば4機の非常用ディーゼルに加えてバックアップの非常用タービン発電機が2機設置されている様子でした。 このような、大がかりな設備による原子力の安全確保が重要である一方で、個別の業務では、地道な日々の活動が大切になります。今日は「職場におけるコミュニケーションの活性化」と題して、吉田先生ご講演に引き続き、ディスカッションいただけるとのことですので、講演をもとに、もう一度安全について深く考えていきたいと思います。皆様、よろしく願いたします。」

とのご挨拶をいただきました。

ご挨拶の後、熊本大学名誉教授・シニア教授 吉田 道雄様から「職場におけるコミュニケーションの活性化 - 対人関係スキルアップの基礎 -」と題してご講演いただきました。

講演では、

◆本日は、「集団理解とグループダイナミックス」「安全文化醸成のキーワード」について講演させていただく。「グループダイナミックス」は、集団との関わりを通して人間を理解することを目的にしている。集団を抜きにしては個人の行動も理解できないというのがポイントである。人と人との関わりは、化学結合に例えられるところがある。酸素原子は、鉄、銅、水素、カルシウム、炭素、アルミニウムといったいろいろな原子と結びつく。酸素原子自体は何も変わらないにもかかわらず、結びつく相手によってずいぶん性質が違う。人間も同じである。個人は変わっていなくても、結びつく相手によっては、暴発することがある。つまりは、誰と一緒になるかでまったく変わった行動をする。

◆職場では、PHSが大事であると言っている。ここでPHSとは、P(peace平和)、H(happiness幸せ)、H(health健康)、S(safety安全)、S(smile笑顔)を指す。基本としては、1人1人のPHSを実現することが大事だ。しかし、そのためには職場のPHSを確立することが不可欠で、職場全体としてPHSを改善する方策を実現していただきたい。ここで私が強調したいことは、PHSの確立は職場内の品質保証=人的品質保証そのものにつながるということである。PHSを高めるためには、安全文化醸成のキーワードとなるコミュニケーションや対人関係スキル、あるいはリーダーシップが必要である。

◆コミュニケーションに関しては、言葉は元々通じないという発想に立ったほうが良い。同じ内容でも話す相手によって受け止め方が違ったり、自分の意図がほとんど伝わらなかったりすることがある。コミュニケーションにおいては、自分の言ったことが相手に伝わっていないからといって相手の見方がおかしいと切り捨てるのではなく、なぜそうなったかを追及することが重要である。このようにして対人関係力を高める必要がある。コミュニケーションのインフラ作りである。

◆リーダーシップは対人関係力全体を指している。その特殊な形として、管理職の部下に対するリーダーシップがある。対人関係力だから、管理職に対して、部下がリーダーシップを発揮することもあり得る。この観点からリーダーシップ力は、「専門力」×「人間力(対人関係力)」を、「フォロワーの人数」で割った公式で表すことができると考えている。ポイントは、掛け算であること。仮に「人間力(対人関係力)」がゼロだとすると、どんなに「専門力」があっても、「リーダーシップ力」はゼロになるということである。

との貴重なお話をいただきました。

講演会終了後のアンケートでは、

対人関係スキルとリーダーシップの話は大変参考になりました。特にグラウンドアップの「吸い上げる力」は今後の安全文化活動に活かしていきたいと思います。
リーダーシップの考え方に人間力が大きく関係している事が重要だと改めて思った。人間力をいかに良くするか今までの己の対応について振り返り改善したいと思う。
ご講演内容は職場のみならず私生活の場においても役立つお話でした。日頃なんとなく感じていたことをわかり易く説明いただき考えを整理することができました。
コミュニケーションのインフラとして対人関係を整えることが重要であるということに感銘を受けました。コミュニケーション、対人関係という言葉を混同していました。具体的な事例が多くわかり易かったです。また、少しの変化・努力を続けていくことの重要性を理解しました。
吉田先生のホームページを見てみたいと思います。

などのご意見・ご感想をいただきました。


2.安全情報交換会

安全情報交換会では、「工事現場におけるコミュニケーション活性化運動」をテーマに、 第3事業本部の幹部、中堅社員、社員と熊本大学名誉教授・シニア教授 吉田 道雄様をまじえ、第3事業本部で実施している「IIF(Incident Injury Free:いいふれあい)活動」に基づき、現場でのコミュニケーションのあり方について意見交換を行いました。





以上