活動実績等

電源開発(株)大間原子力建設所にて第155回安全キャラバンを実施

平成27年10月15日、青森県下北郡大間町の電源開発(株)大間原子力建設所において、第155回安全キャラバンを実施し、安全講演会とグループワークを行いました。

1.安全講演会

電源開発(株)大間原子力建設所の職員、協力会社社員等82名が出席されました。

講演会の冒頭、大間原子力建設所 副所長の鞍本 貞之様より、ご挨拶をいただきました。

「大間原子力建設所においては、『安全確保を最優先に地域に信頼される原子力発電所』の実現に向け建設を進めており、安全文化醸成活動の重要性は高まっていく。このため、既に安全文化のあるべき姿を構築している中部電力殿の活動を参考にし、大間原子力建設所における安全文化のあるべき姿をとらえる良い機会としたい。」

とのご挨拶をいただきました。

ご挨拶の後、中部電力(株)原子力部 品質保証グループ 特別専門役 鈴木 哲也様から「安全文化醸成活動に関する浜岡原子力発電所の取り組み」と題してご講演いただきました。

講演では、

◆安全文化とは、原子力安全を最優先することをチームの皆が考えて自ら動くことであり、安全文化醸成活動により向上した「安全最優先」という意識を、実際の活動の中で行動や態度で示すことである。
◆安全文化を示す特性・属性には様々なものがあり、代表的なところでは、JANSIの7原則、IAEAの5特性、INPOの10特性がある。どれが一番いいということはなく、日本人の特性や各組織の状況に合ったものを用いることが重要である。
◆安全文化醸成活動とは、各組織が担う原子力安全の達成に向け、関連する個人の行動に結びつけるために、これに影響を与える各要素(技術・知識・姿勢など)に働きかける活動である。
安全文化の醸成は、各組織で安全文化の「あるべき姿」を策定し、現状を「あるべき姿」に近づけるために安全文化醸成活動を実施し、その結果をチェックしていくというサイクルを繰り返し行うことになる。
◆中部電力(株)では、『安全文化が醸成されている状態』を策定するにあたり、本店品質保証グループ長や発電所各部の代表で構成される安全文化ワーキンググループでの協議、安全文化醸成活動や安全文化の要素についてのアンケート調査、いろいろ取り組んできた活動を踏まえ、自社の組織風土に根差したものとした。それぞれの組織に特有の気質のようなものがあるため、既存のものを参考にして、自分たちで定めたほうが良い。
◆中部電力(株)で行っている安全文化醸成活動を一部紹介したが、数や形式は重要ではなく、どれだけ本気で実践できるかが問題であり、また、有効性の観点で、定期的に活動を見直すことが大切である。
◆安全文化醸成活動は、心のエクササイズであり、トラブルが全く起きなくなるという特効薬ではない。人間の病気と一緒で、病気になる可能性を少なくする、体質改善ということである。社長から、それぞれの仕事に携わる担当者まで、全員が行動することが大切である。

とのご講演をいただきました。


講演会終了後のアンケートでは、

安全文化を四つの側面に分類し、それを自転車に例えて分り易く説明してくださったのが印象的でした。また、安全文化醸成活動で重要なのは活動の「数」や「形」ではなく、「どれだけ本気で実践できるか」であるというコメントも印象的でした。精神論のようですが、これが本質なのかなと感じました。貴重なお話をしていただき、ありがとうございました。
ご講演ありがとうございました。自分の会社以外での取組みを知れる機会はあまりなかったため、貴重なお話となりました。今後も継続して行ってほしい。
(浜岡原子力発電所においてH19に実施したアンケートにより得られた)安全文化醸成活動に係る意見は、よく理解できるものばかりである。JPOWERは、まだこの段階だと思うが、いずれ追いつき、追い越せるよう努力したい。
今回の講演を聞き、今後の業務に活かしていきたいと感じました。私自身が意識をもち業務に臨みたいと思います。

などのご意見・ご感想をいただきました。

2.グループワーク

「安全文化のあるべき姿の策定と実践」をテーマとし、建設所の各グループリーダーが4~5人のGrに分かれ、Gr毎に討議していただきました。
まず、事前に行ったアンケート「安全文化の63の視点について今後強化すべきは何か」の集計結果を題材とし、共通に抱える問題点を摘出していただいた。
次に摘出した問題点について、「あるべき姿を実践するためにはどうしたらよいか」をテーマに、参加者同士で議論していただいた。



以上