BWRの制御棒駆動系ノンリターン運転状態での制御棒引き抜けの防止

2007.5.15発行

内容概要

過去に停止中のBWRにおいて、制御棒駆動(CRD)系ノンリターン運転状態で、多数の水圧制御ユニット(HCU)を隔離したため、CRD系の圧力が上昇して制御棒が引き抜ける事象が複数発生し、一部では臨界に至っていたことが判明しました。
これらの事象に対し、電気事業者はそれぞれ再発防止対策を講じてきていますが、確実な再発防止及び更なる安全性の強化を図るため、水圧駆動CRDを有するBWR事業者に対して、HCU隔離時の運転管理に関する再発防止対策の検討を行い、その結果を報告するよう要請しました。
なお、今回の事象に鑑み、臨界事象に対する運転操作等の教育訓練の再徹底を図るよう、PWRを含む全事業者に要請しました。
注意文書本文は別紙参照ください。

電力の対応状況(2022年3月完了)

【BWR電力対象】
BWRを有する電力会社全社がCRDノンリターン運転による制御棒引抜けを防止するために下記の対策を実施しました。
(1)HCUを隔離する場合は、リターン運転への切替を実施しており、手順書にも反映している。
(2)HCUを隔離する場合は、原子炉・冷却水ヘッダー差圧、制御棒の位置についてチェックシート等を用い確実に監視しており、中央制御室に「CRDリターン/ノンリターン運転」状態の掲示を実施している。
(3)上記(1),(2)について確実に実施するように手順書を整備するとともに、警報発生時の対応手順も整備済みである。また、運転員への手順の周知やHCU隔離に伴うリスクに関する教育を実施している。
(4)HCUの隔離・操作時には、ページング等の通信手段により中央制御室-現場間の連絡を密に取り、HCU隔離状態を把握している。