活動実績等

運転責任者運営委員会 第21回議事概要

日時 平成28年4月13日(水) 13時30分 ~ 16時20分
場所 原子力安全推進協会 第1会議室

出席者(敬称略 順不同)

委員 北村正晴(テムス研究所),島津洋一郎(福井大学),尾野昌之(電事連),
月川哲雄(グローバルテクノ), 後藤好美(BTC),小松泰樹(NTC)
事務局 原安進 中川敦之,坂元祐二,小暮雄三,千葉修,遠藤英由,三浦和男,西端利和

議題

  1. 前回議事録の確認
  2. 平成27年度運転責任者筆記/口答試験の結果について
    ・通常運責/1F運責
  3. 平成27年度運転責任者判定業務の実施状況について
    ・通常運責/1F運責(含む筆記ニ項試験における採点方法の改善)
  4. 平成28年度判定計画について(含むシミュレータ訓練機関審査予定)
  5. 筆記/口答試験委員,講習講師及び運責事務局による意見交換
  6. 発電所訪問による運転責任者合格証保有者とのコミュニケーションの実施について
  7. 第20回運転責任者運営委員会出題問題へのコメントに対する対応について
  8. イ項-7AM 筆記試験問題(BWR)における「炉心損傷」表現を用いる場合の例について
  9. 公表問題の新規公表時の識別周知及び最終レビュー日の表示について
  10. 委員の委嘱状況

議事

  1. 定足数の確認
    定足数を満足し,運営委員会が成立することを確認した。

  2. 前回議事録の確認
    前回議事録が了承された。

  3. 平成27年度運転責任者筆記/口答試験の結果
    事務局より説明し,内容について確認された。
    1)通常運転責任者
    [主な意見]
    • 「運転実技試験と筆記/口答試験得点分布」のグラフは単なる分布を示すのみで,相関は示されていない。また,運転実技試験の得点分布の最多人数は「累積」では95~100点であるが,「平成27年度」では90~94点となっている。この差は何か。
      ⇒当グラフは単なる得点分布を示しており,相関について評価はしていない。得点分布の変化については,一概に要因は明言できないが,例えば前年度からの変更点として,“シビアアクシデント(SA)試験”の導入といったものはある。
    • 考察において「(前略)プラント再稼働に際しては,種々の準備や訓練など業務量の増加が考えられる。それらが影響して,試験への備えが不十分になるのであれば何らかの対処が必要と考える。」とあるが,具体的にはどのようなことか。
      ⇒推察ではあるが,もし,本当に再起動対応で受験者の余裕がないのであれば電力が受験者に配慮する等,判定機関おいてメッセージが必要との思いで記載している。
    • 公表問題の内容を変更して出題すると誤解答率が高いとの分析に関しては,問題の趣旨をしっかり勉強しないと正解出来ない様,公表問題も変更して出題した方が良い。
      ⇒公表問題については,ルールに基づいて変更を加えて出題している。1科目20問中13問程度の公表問題については,選択肢を入れ替える等の変更を加え,残りの7 問程度は公表問題に重要な変更を加えるか又は非公表の設問としている。ただし,公表問題の変更にあたっては,ひっかけ問題にならない様に考慮している。受験者においては,公表問題で単に選択肢を入れ替えた問題で,変更前の解答選択肢を記載して間違う傾向が見られている。

    2)福島第一運転責任者
    [主な意見]
    • 受験者2名の筆記ニ項の採点で慎重にやってもらったと推定するが2時間弱は長過ぎる。口答試験と同じ様な答えを求めるのではなく,「あなたが大切と思うキーワードを3つ上げてください」等,具体的な答えが出て判定し易いように工夫してはどうか。
      ⇒問題案を作成する過程において,受験者の回答を引き出し易くするため解答欄を広めに見直し,出題側の意図が伝わる様問題文に工夫をしているところである。今後も継続的にPDCAを回して行きたい。また,採点時間を確保出来る様,翌日に採点するスケジュールに変更した。

  4. 平成27年度運転責任者判定業務の実施状況について
    事務局より説明し,内容について確認された。

  5. 平成28年度判定計画について(含むシミュレータ訓練機関審査予定)
    事務局より説明し,内容について確認された。
    • シミュレータ訓練機関審査は毎年行うのか。
      ⇒毎年行う

  6. 筆記/口答試験委員,講習講師及び運責事務局による意見交換
    事務局より説明し,内容について確認された。なお,発電所訪問による運転責任者合格証保有者とのコミュニケーションの実施の際に,発電所上層部も参加の上,意見交換を実施し,JANSIより 発電所上層部へ運転責任者の意見も伝えていることを紹介した。
    [主な意見]
    • 筆記/口答試験委員と運責保有者との当事者間のコミュニケーションについて説明してもらったが,運転責任者を評価している発電所の幹部とのコミュニケーションは行っているのか。
      ⇒筆記/口答試験委員と現場に行って,発電所の上層部も参加の上,意見交換を実施している。その際に,JANSI より発電所上層部へ運転責任者の意見も伝えている。
    • 経験を有しているベテランの運責経験者もコミュニケーションに加えて,当事者間だけではなく,第三者の視点の強化が望ましい。
      ⇒ベテランの運責経験者については,発電所の上層部に含まれている。第三者の視点に関しては,運営委員会や独立性,公平性並びに公正性の観点も含め諮問委員会の制度を運用している。加えて,発電所でのコミュニケーションにおいては今年度から第三者性の高い「統督の講習講師の参加」を考えている。今後更なる工夫を考えて第三者の視点の強化を目指したい。

  7. 発電所訪問による運転責任者合格証保有者とのコミュニケーションの実施について
    事務局より説明し,内容について確認された。
     [主な意見]
    • 再起動に向けての稼働中の原子力発電所における実務経験研修に関しては,ありがたい取り組みである。稼働しているプラントを経験することは大切なので,電事連も協力しながらやっていきたい。
    • 研修を受け入れる発電所は負担となるが,「同じボートに乗っている意識」で先行プラントに協力をもらうのは,社会への説明責任の強化の観点からも意味がある。
      ⇒稼働プラントの電力に協力を得て実施したいと考えている。
    • 現場は忙しい。1回あたりどの位の期間を想定しているのか。また受け入れ可能人員数はどれくらいか。
      ⇒1週間程度と考える。1回当たり5名程度であろう。

  8. 第20回運転責任者運営委員会出題問題へのコメントに対する対応について(案)
    事務局より説明し,内容について確認された。
    [主な意見]
    • 今年度出題問題において設問文の表現に,「チャンネル流量振動防止のために,2相流の入口部にオリフィスを設けている」旨の表現があった。現場の試験問題作成WG委員が望む表現で構わないが,技術的に誤解し易い表現はいかがなものか。
      ⇒現場の試験問題作成WG 委員のレビューを受けた表現であり,誤解はないものと考えている。

  9. イ項-7AM 筆記試験問題(BWR)における「炉心損傷」表現を用いる場合の例について
    炉心の損傷の状況がより分かり易くなる様に設問文を工夫したことを事務局より説明し,内容について確認された。

  10. 公表問題の新規公表時の識別周知及び最終レビュー日の表示について
    事務局より説明し,内容について確認された。
    [主な意見]
    • 公表するのは最終改訂日でなく最終レビュー日で良いのか。
      ⇒最終レビュー日を公表したい。なお,最終改訂日も含めてシステムで管理するものとする。
    • ある一定期間内に,公表問題はレビューされるのか。
      ⇒原則1年に1回はレビューされる。問題に修正がなくても,レビュー日は更新される。

  11. 委員の委嘱状況
    事務局より説明し,内容について確認された。
    [主な意見]
    • 講習に関して,受講者がより効果的に受講出来る様,講師のパフォーマンスの評価を実施して改善につなげた方が良い。
      ⇒アンケートは毎回実施している。講師によっては初めての講習を行う前に,事前にオブザーバーとして別な講師がどの様に実施しているか確認してから講習を実施する講師もいる。

以上